m. ユーザー事例

2016年11月 7日 (月)

Japan Avid Blog引越しました

この度、Avid Japan BlogはAvidブログへ引越しました。

引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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2016年3月16日 (水)

ベン・バプティ氏インタビュー: Avid Pro Toolsによるグローバルなミキシング

輝かしい才能を称える本年度MPGアワード候補者であり、エンジニアのベン・バプティ(Ben Baptie)氏にお話を伺いました。ベック、アルバート・ハモンドJr等、数多くの世界のトップミュージシャンと仕事をしてきたベンは、Avid Pro Toolsユーザーとしてキャリアをスタートしました。業界トップのDAWソフトウェアPro Toolsは、全てのプロジェクトにおいて、グローバルなコラボレーションを可能にし、彼の多忙なスケジュールに最適です。

膨大な数のアルバム制作に加えて、近頃では、全世界で絶大な人気を誇る大スター、アデルの放送用最終ミックスを完成させる機会を得ました。ラジオシティで収録されたグローバルTVスペシャルの『Adele: Live from New York』、『Adele: Live at the BBC』、『教会セッション』の最終的なオーディオ・ミックスを作成しました。この10年で最大のヒットアルバム『25』の発売キャンペーンで、全て使用されています。彼は、アデルの最新曲の数々と彼女の素晴らしいボーカル・パフォーマンスを、Avid Pro Toolsのパワーを使って綿密に調整しました。

MPGアワードの『Breakthrough Engineer of the Year』にノミネートされたベンから、スタジオの設定、ヒントや裏技に加え、様々な場所で仕事しながら、過密なスケジュールに対応する方法について、話を伺いました。

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Pro Toolsについて考える時、最初に浮かぶことは何ですか?

多用途性ですね。

Avid、Pro Toolsと一緒に、どのように成長してきましたか?

これまでの作業方法を変えることなく、新しい機能が追加できます。予算、時間、場所に限りがある場合には、Pro Toolsだけを使って作業することがありますが、そういった場合でも、同じ結果が得られます。

Pro Toolsを選んだ理由は?

安定性と信頼性です。自分の作業環境で様々な製品と併用できることによって、最高の結果が生まれます。

どのようにPro Toolsを使いますか?作曲?ミキシング?作業工程、ワークフローについて教えてください。

ミキシング、オーディオ収録に使用しますが、ほとんどがミキシングです。Pro Toolsをテープ機器としてフルスタジオで使っています。コンソールのステレオバスからモニターへフィードするだけでなく、Neve VR60へフィードします。このPro Toolsはデスクからの外部入力としても使用しています。

Pro Toolsでお気に入りの機能は?

好きな機能は、クリップゲイン、エラスティック・オーディオ、それからプレイリストのコンピングです。

Pro Toolsでのコラボレーションや様々な場所や状況での作業をする環境はいかがでしょうか?

仕事のために国と国の間を行き来したり、飛行機の中で仕事を続けたりできるので、時間を無駄にすることもないし、互換性の問題もありません。スタジオでアルバム制作することも、どこか別の場所に持ち出して作業を続け、他のスタジオに持ち込んでミックスすることもできます。作業を中断する必要が無いのです。

Pro Toolsを他のソフトウェアまたはハードウェアと併用しますか?

オープン性とシナジーがどのように制作工程を強化するか?私は毎日Pro Toolsを、Manley Vari-mu 等のハードウェア・インサートだけでなく、Neve VR60と併用しています。この作業工程は、包括的な柔軟性を与えてくれます。また、コンソールの前にプラグインを使用しても、コンソール全体を使用して、全てのパワーを活用することができます。

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バーチャル・インスツルメントを多用しますか?最新のPro Toolsはより多く、より大きなVIをサポートしますが、仕事にどのように影響していますか?

制作時、私は数多くのVIを使っています。最新のアップデートでは、Pro Toolsの安定性が向上しました。アーティストたちと作業する中で、安定した高速ワークフローは重要です。その点でも、もう心配はないでしょう。

最近のプロジェクトではどのようにPro Toolsを使用しましたか?また、好きな点とそうでない点について教えてください。

昨年、ニューヨークでバンドのアルバム制作をしながら、レベルが大きく異なる5つの国の10のPro Toolsシステム・スタジオを行き来しなければなりませんでした。ギタリストの自宅で自分のノートパソコンを使って作業、ブルックリンのプロジェクト・スタジオでドラムを収録、ロンドンでミキシング、アムステルダムで編集、そしてパリではボーカルのコンピングといった具合です。

Pro Toolsは、プロセス全体で多大な信頼性を与えてくれました。つまり、私はどこにいても、いつでもミックスを作成し、編集し、リビジョンを作成することができます。クリップゲインはプロセス全体で非常に便利でした。後になって、様々な場所から入ってくるファイルがあると、そのファイルとオリジナルのサウンドをできるだけ近づけるようにクリップゲインを効果的に使うことができます。

Pro Toolsを使う時に、重要な機能やヒントは?

全てのキーコマンドを学ぶこと!技術的な部分だけでなくクリエイティブな部分でPro Toolsを使用したいと思うのなら、キーコマンドを学んで、素早く作業できるようにすることです。1つのキーコマンドを押すだけで先に進める時に、エンジニアがメニューを探しているのを見ることほど、苛々することはありません。

無くてはならないというプラグインはありますか?

D-Verb!それから、EQII(旧型)、EQIIIとLo-Fiです。これらは多用しています。コンソールと、この3つのプラグインと幾つか他のプラグインがあれば、十分です。

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ご自身について、音楽の嗜好や影響について、今の仕事についた経緯についてお聞かせください。

好きな音楽のジャンルは多岐にわたります。1つのジャンルをコンスタントに聞き続けるということはありません。私にとって、音楽は、歌であり、エモーションであり、それを作り出す背景です。しかし、自分の仕事がもたらすものという点からは、好きな制作スタイルがあります。リッチで、複雑(しかし、シンプルさを保ち)、素晴らしいアレンジ。ミキシングする時は、自分の好みのサウンドに仕上げるので、確かに、常に制作全体に自分の一部を投影しているように感じます。

私のキャリアは、幸運にも、才気あふれるTom Elmhirstのアシスタントを4年間務めたところから始まりました。彼には、音楽だけでなく、スタジオで過ごす人生についても含め、数多くのことを教わりました。私たちはロンドンのメトロポリス・スタジオから、ニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオに移り、2014年8月、私はそこでフリーランスになりました。そこから、ロンドンへ戻るまでの間、ゴージャスなNeveルームがあるブルックリンのアトミック・スタジオで働きました。現在は、ロンドンのストロングルーム・スタジオのStudio 1で仕事をしています。

お気に入りの作品を幾つか教えてください。また、これまでのキャリアで最高の瞬間は?

大切に思う作品は幾つかありますが、ベックの『Morning Phase』での仕事は素晴らしかったです。美しく作られ、書かれ、アレンジされ、録音されたマルチトラックが、ミキシングするTomの元へ毎日届くのです。あのレコードのコラボレーティブな制作プロセスの一端を担うことができるだけで、とにかく嬉しかったです。

アルバート・ハモンド Jrの最新ソロレコードのミキシングも、とても楽しかったです。彼は私にとって絶対的なヒーローなので、彼の素晴らしい曲のミキシングしながら、彼と一緒にいられて、音楽や人生について話せるなんて、ただただすごいことでした。

最近では、アデルのライブ・パフォーマンスとレコーディングのミキシングを全て担当しています。彼女のような実力も実績もある偉大なアーティストの近くにいることすらすごいことです。誰もが非常に高いレベルで仕事をしているので、自然と力が入ります。ラジオシティでのライブショーのミキシングは、Pro Toolsで作品を作り上げた特別な瞬間と感じました。

競争力を保ち、競争に勝ち抜くため、ご自身をどのように差別化していますか?

自らを差別化はしていません。ただ、自分の仕事をしているだけです。単純に音楽が大好きだという、それだけです。これが自分の仕事であることをとても幸せに思います。私の作品を聞く時、人々にそれが届き、感じてもらえたら嬉しいです。

テクノロジーの進化は、どのように仕事のやり方をかえてきたでしょうか?

正直、ミキサーとして言えば、技術革新によって仕事のやり方は若干難しくなります。人々は曲にもっともっと多くのものを加え、レコーディングではもっと多くのチャンネルを使用し、大量のBVを持つことができます。ひたすら増えるのみです。ミキシングで管理できれば何の問題もありません。しかし、それは、これまで以上にアシスタントの仕事が厳しくなるということなのです。

あなたのような仕事をしてみたいと考える人にアドバイスをお願いします。

自分を信じ、スタジオワークを理解する。多くの場合、黙っているのが最善です。見て、学びましょう。

  


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Pro Tools

Pro Toolsは、数々の賞に輝く音楽およびオーディオポストプロダクションのプロフェッショナルが信頼を寄せるDAWです。プロジェクトに応じて、永続ライセンス、サブスクリプション・ライセンスから柔軟に選択可能なオプションをご用意しています。詳細はAvid販売代理店までお問い合わせください。

2015年11月24日 (火)

河村隆一ビデオ・メッセージ ~アルバム"Magic Hour"サウンド・プロダクション・ストーリー~

Avid並びにicon.jpで掲載されている河村隆一さんのニューアルバム「Magic Hour」のサウンド・プロダクション・ストーリーに対する、ご本人からのアーティスト・メッセージが届きました!

アルバムへの想い、サウンド・コンセプト、そしてエンジニア・杉山勇司さんの魅力について語っていただいています。

下記のWEB記事とともに是非、ご覧になってください。

 

 

WEB記事

  

12/4 杉山勇司ミキシング・セミナー in 大阪

HDXで紡ぐ、河村隆一「Magic Hour」サウンド・プロダクション・ストーリー
~エンジニア・杉山 勇司氏のPro Tools|HDXとHEATオプションを駆使したミキシング・テクニック〜

2015年10月28日 (水)

河村隆一「Magic Hour」サウンド・プロダクション・ストーリー 〜エンジニア杉山勇司氏が語る繊細で芳醇なアコースティック・サウンドの秘密

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LUNA SEAのヴォーカリスト、河村 隆一のソロ・アルバム「Magic Hour」(2015/10/28発売・AVCD-93304)は、稀代のヴォーカリストとして、新境地を開拓し進化し続ける意欲作です。

「Magic Hour」で目指したサウンドは、統一感のあるアコースティックなバンド・サウンド。

そして、このアルバムの為に集った一流のミュージシャン達の演奏によって生み出された美しいアコースティック・バンド・サウンドと表情豊かで存在感のあるヴォーカル・サウンドが、エンジニア・杉山 勇司氏の卓越したレコーディング/ミキシング・テクニックによって絶妙にブレンドされ、アーティストが描いたイメージは、より魅力的な形で具現化されていきます。

そんな魔法のような瞬間の積み重ねで完成した河村 隆一・ニュー・アルバム「Magic Hour」。そのサウンドの秘密を、Avid Pro Toolsの使用ノウハウとともに杉山氏に語っていただきました。

 

ストーリーを読む >> http://avidblogs.jp/ryuichi-kawamura-magic-hour/

 

 

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杉山 勇司(すぎやま ゆうじ) 氏

1964年生まれ、大阪出身。1988年、SRエンジニアからキャリアをスタート。くじら、原マスミ、近田春夫&ビブラストーン、東京スカパラダイスオーケストラなどを担当。その後レコーディング・エンジニア、サウンド・プロデューサーとして多数のアーティストを手がける。主な担当アーティストは、ソフト・バレエ、ナーヴ・カッツェ、東京スカパラダイスオーケストラ、Schaft、Raymond Watts、Pizzicato Five、藤原ヒロシ、UA、NIGO、Dub Master X、X JAPAN、L'Arc~en~Ciel、44 Magnum、LUNA SEA、Jungle Smile、Super Soul Sonics、広瀬香美、Core of Soul、斎藤蘭、cloudchair、Cube Juice、櫻井敦司、School Girl '69、dropz、睡蓮、河村隆一など。 

(撮影:佐藤みつぐ)

  

 

関連情報/リンク
河村隆一オフィシャルWEBサイト

アルバム情報: 
2015年10月28日(水)発売「Magic Hour AVCD-93304 ¥3,241(税別)

 

  

2015年9月18日 (金)

映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』サウンド・プロダクション・ストーリー 〜 “残酷で美しい世界”を表現するためのサウンド制作秘話 ~

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(C)2015 映画「進撃の巨人」製作委員会
(C)諫山創/講談社

 

8月1日に前編、9月19日に後編と、連続ロードショーによる公開となった映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』は、全世界累計発行部数5,000万部を誇る大ヒット漫画、『進撃の巨人』(原作:諫山創氏)を樋口真嗣監督が実写化した大作です。

今回は、音声/録音を担当した中村淳氏と、音響効果を担当した柴崎憲治氏のお二人に、この作品のサウンド・プロダクションに関する話を伺いました。

ストーリーを読む

 

 

関連情報/リンク

2015年8月26日 (水)

映画「バケモノの子」サウンド制作ストーリー〜 リアリティーとファンタジーを奏でる、音の魔術師たちの秘技 〜

大ヒット映画『バケモノの子』は、06年『時をかける少女』、09年『サマーウォーズ』、12年『おおかみこどもの雨と雪』の成功により、今や世界で最も注目を集めるアニメーション映画監督•細田守氏の3年ぶりとなる最新作です。

今回は、その『バケモノの子』サウンド・プロダクションに関わった「音の魔術師」達、「録音/音声」担当の小原吉男氏、そして「音響効果」を担当したアルカブースの柴崎 憲治氏/赤澤 勇二氏に、この作品の録音/編集/ミックスの秘訣やPro Toolsのノウハウをお伺いしました。

映画『バケモノの子』サウンド制作の秘密
リアリティーとファンタジーを奏でる、音の魔術師たちの秘技

ストーリーを読む

 

関連情報/リンク

 

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©2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

2015年7月29日 (水)

Avid Pro Tools | S6事例: デジタルとアナログが調和するPama Studios

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スウェーデン南東に拠点を置くPama Studiosは、アナログ技術を利用して録音に違いをもたらしながら、デジタル技術のパワー、柔軟性、使い易さを全面的に活用する企業の代表格です。1988年に最高経営責任者のMagnus 'Maxe' Axelssonよって設立されたPamaは、長年にわたるAvidカスタマーです。録音およびミキシングには、25年近く Avid Artist SuiteAvid Pro Tools を使用してきました。また、最近改修したStudio 3には、 Pro Tools | S6 コンソールを導入しました。

設立当初、Pama Studiosの仕事は、主にハードロック系を中心とした音楽制作に集中していました。しかしながら、ファイバーで繋がる3つのビルにまたがる事業所は、映画やテレビ等、仕事の幅を広げ、展開してきました。

「仕事の割合は、音楽80%、映画とテレビが20%といったところでしょうか。世界中のあらゆる国の音楽を制作していますが、成長しているビジネス分野は、小規模映画のサウンド編集です」とAxelssonは話します。「同分野では、音響にあまり明るくない人たちがいます。そこで、私たちが小規模な制作会社のために、多くの仕事をしています。最近では、日本、イタリア、ポーランド、フィンランド、そしてもちろんスウェーデン等から仕事を受けています。」

今日、Pama Studiosは、音楽制作、映画のミキシング、吹き替え、サウンド編集やビデオ編集のワンストップショップとして知られています。

複数プロジェクトに対応

最近、Pamaチームは、クリシャノペル(Kristianopel)のスタジオを改修および設備変更することを決めました。大規模な構造的工事を含む改修は、高品質の音楽録音に対応できるだけでなく、音楽と映画・テレビの仕事間で簡単に行き来して、複数プロジェクトを同時に扱うことができるようになるS6コンソールを導入するチャンスでした。

「私が初めてS6を見たのは、IBC 2013での発表した時でした」とAxelssonは振り返ります。「その幅広い機能性、人間工学、インテリジェントなスタジオ制御にはとても驚きました。」

全スタジオにわたる多用途性

導入以来、Axelssonのチームは、S6で数多くのプロジェクトを仕上げてきました。彼らが特に評価するのは、多用途性です。「S6では様々な方法で作業をすることができます。従来通りにつまみを使うこともできますが、マスター・モジュールでは、ディスプレイをカスタマイズすることができます」と彼は話します。「私は真ん中にいて、つまみよりもディスプレイを使って仕事をすることを好みますが、好みは人それぞれです。S6では、ユーザーが思い思いの方法を選ぶことができます。」

Studio 3制御室には、古いアナログ・デスクと並んで、S6コンソールが中心に置かれています。「古いコンソールの音が好きな音楽クライアントのために、アナログ・デスクも維持していきたいと思いました」とMaxeは言います。「今ここにあるのは、S6を中心に、両サイドにV3パネルを置き、デスクが少しカーブしたカスタム・コンソールです。少しだけ上向きのデスクは、人間工学の面から作業に最適な作りになっています。」

S6のスピード、柔軟性、および機能性により、Pama Studiosは、様々なプロジェクトで効率的な作業が可能になる一方、デジタルとアナログのコンビネーションにより、独自のサービスを顧客に提供することができます。「計画当初から、Studio 3の改修の目的は、将来のワークフロー・ニーズに備えるということだったのです」とAxelssonは締めくくりました。

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 S6 M40-16-9-D カスタム (Neve V3 Hybrid)  – カスタムデスク – Pro Tools | HDX システム

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Maxe Axelsson – MD, Pama Studios

 

課題:

異なる業種の様々なプロジェクトの制作について効率性を向上し、将来必要となることが予想されるオーディオワークフローに備える。

ソリューション:

Avid Pro Tools | S6に投資し、映画やTV番組のサウンド編集での拡大する要件に対応するとともに、高いクオリティでの音楽制作を可能にする。

利点:

複数のプロジェクトの同時作業が可能な機能。コンソールのカスタマイズが可能な高い柔軟性。スピーディかつ効率的なデジタルワークフロー。

導入製品:

2015年6月24日 (水)

東映デジタルセンター ~邦画初のDolby Atmos作品「THE NEXT GENERATION パトレイバー首都決戦」のサウンドとワークフローに迫る!~

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2013年10月より営業が開始された、東映株式会社のポストプロダクション部門であるデジタルセンターにより運営される劇場用作品専用のダビングステージ1(Dub1)。本インタビューでは、同ダビングステージにて制作された邦画で初めての Dolby Atmos 対応作品となる「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」のサウンドとワークフローについて、同社デジタルセンターポスプロ事業部課長「室薗 剛」氏にさまざまな角度からお話をうかがいました。

 

Dolby Atmosの導入は監督へのプレゼンから

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従来のチャンネルベースのミキシング方式を採用する平面的サラウンドをさらに発展させ、まさにサウンドの3D表現を可能にするDolby Atmosは、国内でも続々と対応上映館が誕生しており、急速にその導入が進んでいます。現在、そんなDolby Atmosに対応した初めての邦画として「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」が、2015年ゴールデンウィークから公開されました。同作品にDolby Atmosが採用された経緯について、室薗氏は「最初は、押井守監督もDolby Atmosについてあまり詳しくはご存知なかったので、そのサウンドの魅力や優位性、有効性などをプレゼンテーションすることから始まりました。実際には、弊社Dub1へ監督をお招きし、当時公開されていたDolby Atmos対応作品を素材に、そのままでDCPパッケージを再生する形でお見せしました。当初はやや懐疑的であった監督も、Dolby Atmosを一聴した瞬間に、直感的にそのアドバンテージを理解してくださり、それからは非常に前向きに作品へのDolby Atmos採用が進むこととなりました。弊社デジタルセンターとしても、実写版パトレイバーという、Dolby Atmosの特性を存分に生かすことのできる非常にエンターテインメント性に富んだ劇場映画作品に、Dolby Atmosを採用していただいたことにとても感謝しています。」と語ります。

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Dolby Atmosの採用が決定した「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」のダビング作業には、邦画初 Dolby Atmos 作品となることもあり、スケジュールにも十分に気を使ったといいます。「私としても、監督からのご希望や演出を、どの程度までいかにしてDolby Atmosで実現できるかの試行錯誤の期間などを鑑みて、通常のMA作業と比較するとやや長めとなる約3週間のスケジュールを組んでダビングに臨みました。とはいえ、Dolby Atmosにしたからといって、ダビングのスケジュールを必ずしも長く確保しなければならないかというとそんなことはなく、今後はDolby Atmosでの作品制作も増え、さらに我々のノウハウの蓄積なども進めば、おそらくは従来とそれほど大きくは違わない期間でダビングを行うことが可能になるでしょう。」と室薗氏。

 

Pro ToolsSystem 5ならDolby Atmos制作に戸惑うことはない

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Dolby Atmosに関するワークフローをイメージすると何か非常に特殊な作業や多くの工数を要するように感じますが、実際の作業はこれまでの5.1チャンネルや7.1チャンネルサラウンドの延長線上にあるとのこと。それでは、今回の作品におけるDolby Atmos制作は具体的にどのように実現されたのでしょうか。「機材面でいえば、Dolby Atmosを再現できるダビングステージや各種環境はもちろん必須ですが、レコーダーやコントローラーとして手に触れるものは、これまでのサラウンド制作と同様の Pro Tools であり System 5 のままです。Dolby Atmos においてベッドやオブジェクトと呼ばれる各チャンネルについては、Pro Toolsのフェーダーやプラグイン、さらにSystem 5からも直感的に操作が可能となっており、最新バージョンではRMUを含むモニタリング関連の機能もさらにインテグレーションが進みましたので、その洗練されたオペレーション環境に戸惑うことは少ないのではないでしょうか。そういった意味では、実際の作業や操作という部分より、Dolby Atmosならではの演出方法や感覚、その効果の生かし方といった部分のほうに大きな違いを感じるはずです。本作品では、作中のナレーションが非常に多いのですが、実はこの声を監督からのリクエストで、天井に配置されたスピーカーに定位させ「天の声」にしてあるんです。映画館でご覧なる皆さんもきっと驚かれると思いますよ。

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ちなみに、今回のダビング作業にあたっては、ベースとなるプリミックスの段階から基本的には7.1チャンネルを採用しており、ファイナルミックスの段階では、効果音が128チャンネルと64チャンネル、セリフが40チャンネル、音楽で32チャンネルなど多数の出力をすべてSystem 5へと入力しミキシングを行いました。さらに、そういった事情もあり必然的にレコーダーへ入力するチャンネル数も134チャンネルにまで増えてしまいましたので、レコーダーとして使用するPro Tools側に、MADI I/OおよびPro Tools | HDXカードを急遽増設し対応しました。これにより、ファイナルミックスの録音と同時に、ステムミックスの録音も行うなど、一連のワークフローの中で副次的に発生するようなレコーディング作業にも、非常に効率良く柔軟に対応可能な環境が構築できたと思います。」(室薗氏)

 

シーンの雰囲気をさらに盛り上げるアンビエンス感にもご注目!

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このように最新のスタジオとAvidソリューションにより制作された邦画初の画初のDolby Atmos作品、「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」のサウンドには、Dolby Atmosの魅力が惜しみなくつぎ込まれています。「本作品は、シネスコサイズかつ1カットが比較的長いものが多かったので、全般的にパンニングもしやすく、さらにDolby Atmosを生かすにも最適な映像となっていました。1カットが長いことで、シーン中でサウンドを移動させても違和感を感じることが少ないなどのメリットがあるんです。さらに、セリフ、効果音、環境音といった各種サウンドの定位感とバランスにも細心の注意を払っており、映像に非常にマッチしたサウンドに仕上がったと感じています。また、Dolby Atmosならではの包み込まれるようなスピーカー配置から生み出される高解像度かつリアルなアンビエンス感は、けっして派手なものではないですがシーンの雰囲気をさらに盛り上げるのに大きく貢献していますので、ぜひそんなところにもご注目いただきたいですね!

個人的に、Dolby Atmosの大きなアドバンテージは、そのダイナミックなサウンド表現はもちろんのこと、さらに高まったサウンドの解像度の部分にあると感じています。その違いは、現在映像コンテンツがフルHDが2Kや4Kにへと高解像度化しようとしているかのごとくであり、一度味わってしまうと今までの環境に戻れなくなってしまうくらい圧倒的なものです。皆さんには、ぜひ劇場に足を運んでいただき、そんな緻密さと大胆さを兼ね備えたサウンドにも耳を傾けていただきつつ、“THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦”を存分に楽しんでいただければ幸いです!」(室薗氏)

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 東映株式会社
 デジタルセンター ポスポロ事業部
〒178-8666 東京都練馬区東大泉2-34-5
http://www.toei-digitalcenter.jp/

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課題

  • 7.1chプリミックスを含む膨大な数のチャンネル数を扱うDolbyAtmosミキシング作業をスムーズに制作

ソリューション

  • System 5、Pro Tools | HDX システムをベースとするAvidソリューションにより、Dolby Atmosでも従来と同じミキシング環境を構築

導入製品


2015年6月12日 (金)

Mr.Childrenが創造する新しいサウンドの魅力 エンジニア・今井邦彦氏が語る新作「REFLECTION」制作秘話公開!

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Mr.Childrenのニュー・アルバム『REFLECTION』は、バンドのヴォーカリスト/コンポーザーである桜井 和寿さんが作った「デモソング」をきっかけにレコーディングが開始され、Mr.Childrenとしてのエッセンスを加えながらまとめあげていくことで誕生した意欲作です。

CDとハイレゾ(24bit/96kHz)フォーマットの2種類でリリースされた『REFLECTION』で、全曲でサウンド・プロダクションに携わったレコーディング/ミキシング・エンジニアの今井 邦彦氏そしてPro Toolsオペレーターの石井 翔一朗氏のコメントを中心に、楽曲が完成していく行程をサウンド面から解説、制作時のプロセスやレコーディング/ミキシングのノウハウ、そしてPro Tools|HDXの魅力についてお話を伺いました。

本ユーザーストーリーは、アルバム制作のワークフローに沿った形で構成されています。デモデータの為のプリプロダクションや本格的なバンドによるレコーディング/ミキシングまでの全てのプロダクション過程が32bit Float/96kHzプロセスで実施されたアルバム「REFLECTION」制作の様子を、インタビュー並びにPro Tools セッションデータのスクリーンショット/解説とともにお届けしているほか、ニューヨークでのマスタリング作業についてもお話いただいており、Pro Toolsユーザーのみならず全ミュージック・クリエイター必見の内容となっています。

 

ストーリーを読む >>

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関連情報/リンク

2015年3月23日 (月)

東通様事例: Pro Tools | S6とAvid ソリューションで実現するスムーズかつスピーディな制作ワークフロー

東通様事例:
~ Pro Tools | S6とAvid ソリューションで実現するスムーズかつスピーディな制作ワークフロー ~

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2014年9月、営業拠点を移しリニューアル・オープンした東通 ビデオセンター。これを機に、3室あるMAルームのうちMA-3のコンソールとしてAvid Pro Tools | S6が導入された。これは制作プロダクションとしては国内初の事例である。東通では、Pro Tools | HDXベースのパワフルなPro Tools HDシステム、Video Satellite経由でMedia Composerの画とPro Toolsの音の同期、素材は全てメディア共有ストレージであるISIS|5500で管理する、Avidシステムを中心としたスムーズかつパワフルなワー クフローを構築している。営業開始より20数年が経過し、設備の老朽化やシステム拡張の制限が表面化していた旧編集センター。そこから移転した新しい社屋 では、現代のワークフローに即した効率的なスペースの配置と快適な作業環境が実現されている。今回は、機材選定などにあたった野村光宏氏、MAセクション を代表して横田良孝氏、編集セクションを代表して総合技術担当の原田文睦氏のお三方にお話をうかがった。

 

ドラマ制作に必要なスムーズかつスピーディなワークフローを構築

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まず野村氏は、同社のシステム構築について次のように語ってくれた。「弊社の業務で比較的多いドラマの仕事は、編集とMAの作業が途切れなく続くためかな りのスピードが求められます。それを可能にするためにVideo Satelliteを介してPro ToolsとMedia Composerをつなぐシステムを3年ほど前に構築しました。編集とMAの連携を上げるためには、すべてAvidのシステムにするのがよいだろうという 判断です。高い機能を備えた機材を導入し、制作プロセス間での連携を高めることで、スムーズかつスピーディなMA作業環境を実現しています。Media ComposerとVideo Satelliteを導入する前は編集された映像はテープに収められていたので、MAに入るときに取り込む作業が必要でした。それがなくなったことによる 時間短縮は非常に大きかったですね。無駄がなくなり、厳しい納期の場合でも完全納品が可能なスピーディなワークフローとなっています。」(野村氏)また、 横田氏は、作業側にとってもワークフローは大事なことだと言います。「セッション内の目的のどんな場所へもすぐ移動できるので、作業しやすくなりました。 それに、HDシステムはやっぱり絵がきれいなので、クライアントからも喜ばれています。」(横田氏)

ICONからPro Tools | S6へ

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さらに今回のリニューアルで、MA-3のPro ToolsはHD 3からHDXにアップグレード。コンソールもICONからPro Tools | S6にリプレイスされた。 「システムのリプレイスを考えたとき、世の中に様々なコンソールの選択肢があったのは事実ですが、Pro Tools | S6が出るのを待っていました。Pro Tools | S6は、ICONの機能的なものを継承して、なおかつパーツのアレンジができて扱いやすそうなところが魅力でした。導入を決める前には横田をはじめ現場の 人間が実際に触り、納得した状態で決めました」(野村氏)

Pro Tools | S6はフェーダーの動きが滑らかで動かしやすいです。オートメーションを書き込む機能をオンにしたとき、ICONではフェーダーに少し抵抗を感じたのです が、Pro Tools | S6はそれがなくなった。ほんのわずかなことなのですが、多用する機能ですし長時間の作業になるとずいぶん楽になったと感じます。」(横田氏)

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今回導入されたPro Tools | S6は、より高性能なM40、24フェーダー/5ノブという仕様。横田氏は「部屋の大きさを考え、可能な限りコンパクトかつフェーダーの本数を確保できる この仕様にしました」と振り返る。さらに「ICONよりもカスタマイズ性が高いので、より作業しやすい形になりました。手が届く範囲に機能が集約できて、 動き回らなくてもよくなったのがありがたいですね。フェーダーの横にもメーターが付いているのでどこから音が出ているか直感的に把握できます。様々な作品 を制作しますが、ときには100トラックもある大規模セッションを扱うこともあり、コンピューターの画面を占拠しがちなプラグインなどを Pro Tools | S6のMTMディスプレイに表示できるのは便利だと感じています。」と、その魅力を語ってくれた。

複数の担当者が同時に協業しながらミックスダウン

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編集からMAに至るフローではメディア共有ストレージのISIS|5500が採用されており、最大26式の端末がリアルタイムでメディアに同時アク セス可能となっている。「編集室では、収録された映像と音をMedia ComposerとSymphonyで編集します。完パケが出来上がったらあとはなにもする必要はありません。MAチームがISISに入っている編集デー タを取って作業を進めてくれますからね」と原田氏。

「完成の連絡をもらったら、そこから音付けに入ります。音効担当の方と私で作業を分担し、音効担当の方は音楽とSE、私は収録されたセリフを担当し ます。MA-3には音効用の Pro Tools と Artist Mix が用意されていて、メインのPro Toolsとは Satellite Link でつながっています。このリンクされたシステムを活用して、複数の音効担当やミキサー担当者が同時に協業しながらミックスダウン作業を行っています。」 (横田氏)

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ドラマ仕事の場合、付けた音を監督が確認し、OKが出たところでミックスを開始する。完パケを納品する形態はまだテープが主流とのことで、ミックス終了後、テープに落とす作業に入るとのこと。

「弊社では、クライアントの意向に合せて、映像は編集の担当者がテープに落とし、音はMAの担当者がテープに落とすようにしています。この作業が最 終確認を兼ねていて、映像や音にノイズなどが入っていないかをチェック。役割を分担した方が、より事故は少なくなると思います。」(横田氏)

将来の高解像度4K制作を見据えて

Pro Tools | HDXシステムをインストールしているためサラウンド制作にも対応。MA-3に併設したアナウンス・ブースは、大人数のアフレコにも対応しており、他の MA室からも利用できるよう、室内の様子が見られる旋回型カメラを設置するなど、クライアントのニーズに柔軟に応えられる体制が整えられている。MA- 1、MA-2も順次Pro Tools | S6へのリプレイスが予定されているとのこと。各セクションが有機的につながったワークフローは、効率アップだけでなく、品質向上にも大きく寄与している という印象を受ける。

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さて今後はどのような方向に進むのだろうか。展望を野村氏にうかがった。「これからは現在のシステムをバージョン・アップしながら4Kにも対応して いきたいですね。既に様々な検証を行っていて、4K制作対応の準備を進めています。弊社の場合は共有サーバーの位置づけが非常に重要なものになってきてい るので、ISIS を 4K 環境の中でどう運用するかがカギになるでしょう。4Kの次は8Kの時代もやってくる。そのころには、映像の高画質化だけではなくオーディオのチャンネル数 も相当に増えてくるはずです。しかしオペレーションする人間は限られている。そうなると、今以上に機材の連携を取っていかなければならないでしょう。いか に作業者の負担を軽減できるか、それがますます求められると思います。」東通はそのパワフルなシステムに加え、制作ワークフローの効率性とスピードを常に 向上することで、あらゆるクライアントのニーズに応え、今後も進化を続ける。

 

 

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 株式会社東通
〒107- 8330 東京都港区赤坂5- 2- 20 赤坂パークビル9F
www.totsu.com

 
Pro Tools | S6販売代理店: タックシステム株式会社

 


課題

  • ドラマ制作での厳しい納期に対応できるスムーズかつスピーディな制作環境の構築

ソリューション

  • Pro Tools | S6、ISIS | 5500、Video Satellite、Media Composerを含む包括的なAvidソリューションの導入により、編集とMAの高い連携によるスムーズかつスピーディなワークフローを実現

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