m. ユーザー事例

2015年2月26日 (木)

【Pro Tools | HDX事例】MIT STUDIO: 辻中 聡佑氏インタビュー ~ 新進気鋭のエンジニアに聞く「Pro Tools | HDX」のサウンドとワークフロー ~

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東京都港区という好立地に居を構える「MIT STUDIO」(エムアイティギャザリング )は、SSLのGコンソールを2スタジオに備え、リズム、ボーカル、ミックスなどあらゆる要求に、ハイクオリティーかつコストパフォーマンスで応えるレコーディングスタジオとして、数多くのプロフェッショナルからも愛されています。今回は、そんな1970年代からの長い歴史をも持つ MIT STUDIO でハウスエンジニアを務める「辻中 聡佑(つじなか そうすけ)」氏に、昨年リニューアルされたばかりという制作システムや最新のワークフローなどについてインタビューを敢行しました。

 

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RIDER CHIPS、田村ゆかり、BLACK VELVET、バクステ外神田一丁目、みなみけ、華アワセ、黒執事、ハッピークラッピー、ワンダーモモなど、アーティスト系のレコーディングのみらず、最近ではゲーム音楽、アニメ音楽といった幅広いジャンルの作品を手がけられているという辻中氏は、現在の制作環境のコアとなっている「Pro Tools | HDX」のサウンドや使い勝手、その魅力をいかにお感じになっているのでしょうか。
 

Pro Tools | HDX」への移行は作業効率を劇的に向上させた

 「MIT STUDIO」が持つ2つのレコーディングスタジオ(Studio1/Studio2)は、2014年に多忙なスケジュールの合間を縫う形で、7月にStudio1とStudio2の機材の刷新が行われ、最新のMacProの導入とともに、DAWシステムも「Pro Tools | HDX」へと更新されました。Pro Tools | HDAccel 4からPro Tools | HDX 2へと進化した制作環境について、辻中氏は「同じPro Toolsを扱うという意味では、最初からまったくといっていいほど違和感を感じることはありませんでした。安定性、処理速度ともに申し分なく、すべての作業がよりスピーディーに行えるようになりました。また、Pro Tools | HDXのDSPパワーも圧倒的で、以前はトラックをまとめて処理しなければならなかったような96kの大規模なプロジェクトでも、余裕を持って対処することができます。DSPパワーを気にしながら作業しなければならないようなストレスから完全に解放されたのは非常に大きなメリットであり、作業効率も劇的に向上しました。」と語ります。また、リニューアルと同時に導入されたMac Proについても「飛躍的に向上したCPU処理能力のおかげで、AAX Nativeプラグインも多用するようになりました。もちろん、Pro Tools 11で大幅にCPUへの負担が軽減したことも影響が大きかもしれません。」と同氏は評価しています。
 

Pro Tools | HDXではサウンドを描くキャンバスがさらに大きく広がった

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スタジオのリニューアルの際には、Pro Tools | HDXおよびPro Tools 11のアップグレードと共に、オーディオインターフェースも「HD I/O」(16x16アナログ・3台)が新たに採用され、サウンド面でも大きく進化したとのこと。「Pro Tools 11の第一印象としてはキャンバスが広くなったようなイメージ。サウンドの広大なレンジにより、レコーディングやミックスの際などにもそれぞれの音が見えやすくなり、整理がしやすくなりました。その傾向はミックス作業が進んで音が飽和してくるほど顕著で、Pro Tools 11の解像感や分離感の高さはミックス作業を非常に快適にしてくれます。微妙なサウンドの変化については好みもあると思いますが、個人的にはもうPro Tools 11でミックスしないと物足りない感じですね(笑)」と辻中氏は語ります。なお、3台のHD I/Oで実現されたアナログ48チャンネルの入出力は、多数の楽器を用いたレコーディングでも余裕で各楽器専用の入力チャンネルを設けることができ、さらにその出力をダイレクトに大型コンソールへ立ち上げ可能になるなど、複雑になりがちなオペレーションを、より明解にすることにも大きく貢献しているそうです。
 

プラグインはAAX NativeAAX DSPを適材適所で使用

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それでは、Pro Tools | HDXをはじめとした最新システムは、サウンド面の変化だけでなく、レコーディングやミックスにおける同氏のワークフローにどのように影響し変化をもたらしたのだろうか?「以前のシステムでは、DSPベースのプラグインを中心に使用し、目的に応じてNativeベースのプラグインを適宜挿入していくといったスタイルでした。しかし、今ではコンピュータのCPU性能の向上や対応プラグインなどの影響から、基本的にNativeベースのプラグインを中心に使用し、適材適所でDSPベースのプラグインを採用するようなスタイルにワークフローも変化してきました。基本的にAAXプラグインならどちらの形式でも音質はまったく同一ですので、DSPとNativeどちらが良い悪いといったことではなく、現在のシステムにおける作業効率やプロジェクトの互換性などを考慮して利用しています。ちなみに、Avid純正のプラグインの中では、System 5のチャンネルをそのまま再現したAvid Channel Stripがお気に入りで、その他にもD-Verb、Lo-Fi、Bomb Factoryなども利用することが多いですね!

Pro Tools を使用していると、それが当たり前のようになってしまって、新機能を改めて意識することは少ないですが、視認性が大幅に改善されたメーター類はレコーディングおよびミックスの際に大変重宝していますし、コンプの前にボーカルの調整が行える“クリップゲイン”、需要が増しているステムミックスの作成に絶大な威力を発揮してくれる“オフラインバウンス”などの機能も今では欠かせない存在になっています。」(辻中氏)
 

Pro Tools | HDXなら、ハイレゾ・レコーディングにも余裕で対応できる

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「最近では、クライアント様からハイビット/ハイレートを採用したハイレゾ・レコーディングについてもご要望をいただく機会が増加してきており、その需要は日々増していくものと思われます。ハイレゾ・レコーディングでは、従来と比較しどうしてもより多くCPUパワー、DSPパワー、ストレージ容量などが必要になってきますが、今回リニューアルしたPro Tools | HDXをはじめとする新たな制作環境であれば、あらゆる面で余裕を持って対応することが可能です。また、それとともに高解像度なサウンドを生かすためのインプット(スタジオ、マイク、ヘッドアンプなど)は、さらにその重要度を増していくことになるでしょう。

コンピュータとDAWシステムの進化により、個人宅などでも手軽に高品位な録音が可能な時代となった今だからこそ、MIT STUDIOでしか録れない、MIT STUDIOならではのクオリティーのサウンドを常に意識し、今後もアーティスト様、クライアント様、そして何よりもリスナーの皆様に満足いただけるようなサウンド作りを目指していきたいと思ってます。」(辻中氏)

 

MIT STUDIO
 〒108-0014 東京都港区芝4-3-14 仏教伝道センタービル

http://www.mit-studio.com/

 

 

 

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課題

  • クライアントからの多種多様なプロジェクトに効率的に対応できるパワフルなソリューション

ソリューション

  • Pro Tools® | HDX 導入することで、大規模セッションや将来の複雑なプロジェクトに対応し、サウンドクオリティを重視した高品質なミキシングが可能

導入製品

 

2015年1月 6日 (火)

Pro Mixingギャラリー: 世界中のPro Tools | S6システム導入スタジオをご紹介

プロフェッショナルのミキシングには、どんなミックスにも対応できる、最高のサウンド・クオリティ、カスタマイズ可能なコントロール、パワフルなパフォーマンスが必要です。だからこそ、プロの音楽業界やポスト業界では、長年、Avidデジタル・オーディオ・コンソールおよびコントローラが選ばれてきました。

Pro Tools | S6は、現代の複雑なワークフローにも対応可能な、高い柔軟性、人間工学に基づくデザイン、カスタマイズ可能なコントロールなど、他のどのソリューションより拡張性の高い操作が可能です。このブログでは、世界中のPro Tools | S6導入事例のいくつかをご紹介します。

 

Pro Mixing: Pro Tools | S6お客様ギャラリー

Digital Egg

  • 場所: 日本・東京
  • 業界: オーディオ・ポスト
  • 導入S6モデル: S6 M40 (24フェーダー、5ノブ、ディスプレイ付、プロデューサーデスクあり)
  • システム: Pro Tools | HDXシステム、Nuendo
  • Digital Eggオフィシャルサイト

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 さらに詳しく見る >> Avid Blogs

 

NJP Studios

  • 場所: スイス・チューリッヒ
  • 業界: オーディオ・ポスト
  • 導入S6モデル: S6 M40 2式(24フェーダー、9ノブ、ディスプレイ付、プロデューサーデスクあり)
  • システム: Pro Tools | HDXシステム
  • NJP Studios オフィシャルサイト

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さらに詳しく見る >> Avid Blogs

  

Smoke & Mirrors, TAG

  • 場所: イギリス・ロンドン
  • 業界: 音楽ポスト
  • 導入S6モデル: S6 M10 (16フェーダー、5ノブ、カスタムデスク)
  • システム: Pro Tools | HDXシステム、Logic Pro
  • Smoke & Mirrorsオフィシャルサイト

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さらに詳しく見る >> Avid Blogs

 

ENVY

  • 場所: イギリス・ロンドン
  • 業界: オーディオ・ポスト
  • 導入S6モデル: S6 M10 (8フェーダー、5ノブ、プロデューサーデスクあり)
  • システム: Pro Tools | HDXシステム
  • ENVY オフィシャルサイト

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さらに詳しく見る >> Avid Blogs

 

LipSync Post

  • 場所: イギリス・ロンドン
  • 業界: オーディオ・ポスト & 音楽ポスト
  • 導入S6モデル: S6 M10 (24フェーダー、5ノブ、カスタムデスク)
  • システム: Pro Tools | HDXシステム
  • LipSync オフィシャルサイト

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さらに詳しく見る >> Avid Blogs

 

 

他にもまだまだPro Tools | S6導入事例があります!是非Avid Blogsをチェックしてみてください。

2014年10月21日 (火)

Avid Pro Tools | S6コントロール・サーフェスの世界的普及による Avid Everywhereの推進

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Avid Pro Tools | S6コントロール・サーフェスの世界的普及による

Avid Everywhereの推進

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500台以上の受注・導入実績:世界中のポスト・プロダクションがワークフローの無駄をなくし、効率性を高め、高品質のコンテンツを作成するためにS6を採用~

AES (ブース#1201)、ロサンゼルス、20141010 - Avid® (OTC: AVID)は、本日、Avid Pro Tools® | S6 モジュラー式コントロール・サーフィスの普及により、Avid Everywhere™ の勢いが世界中に拡大していると発表しました。世界中で数百に及ぶポスト・プロダクションや音楽スタジオがS6を使用して生産性を向上し、クリエイティビティを最大限に高め、短い納期のプレッシャーの中でも柔軟に作業を行い、厳しい予算制約を克服しています。

Pro Tools | S6は、Avid MediaCentral Platform上で動作するオーディオ制作用クリエイティブ・ツールAvid Artist Suiteの一部です。S6は、世界の長編映画、TV番組、音楽プロジェクトでのミキシングにパワフルなソリューションを提供します。

「Pro Tools | S6は一年前のリリース以来、500以上の注文を頂いています」とAvidワールドワイド・オーディオ部門のセールスおよびプロフェッショナル・サービス担当バイスプレジデントであるティム・キャロルは話します。「この導入率の高さは、いかにAvid Everywhereが世界中のメディア企業やプロフェッショナルに受け入れらているかを明確に示しています。世界で最も活躍するクリエイティブなオーディオ・プロフェッショナルを支え続ける技術力としての役割を誇りに思います。」

 

カナダのトロントにある最先端ポストプロダクションTechnicolorは、クリエイティビティを高めるためにPro Tools | S6を選択しました。「S6のおかげで、我々は直面する要求に応え、クライアントに高品質の作品を届けることができます」とTechnicolorのリレコーディング・ミキサー、フランク・モロン(Frank Morrone)氏は話します。「Avidは常にミキサー、エディター、音楽エンジニア、作曲家のニーズに耳を傾け、製品のリリース毎に、これらのニーズに応え続けています。Pro Tools | S6では、直感的なデザイン、必要なものを全て指先で届く場所に配した人間工学に基づくレイアウトにより、作業スピードをさらに向上します。これは格別で、仕事が本当に楽しくなりました。」

柔軟かつオープンな独自のモジュラー式アーキテクチャによるPro Tools | S6は、現在、最高のサウンド・ミックスの制作を可能にする革新的なソリューションで、将来の新しい技術やテクニックに対応するフレームワークの両方を提供します。S6により、ミキシングのプロフェッショナルは、使用する技術手段に限定されることなく、最高クオリティのコンテンツ制作に専念できます。

 

イギリスのポスト・プロダクションGoldcrest Postは、クライアントからの様々な要請により良くかつ迅速に対応するため、Pro Tools | S6を導入しました。「どのミックスにも、それぞれ特定の要件があります。S6のおかげで、異なるクライアントの異なるニーズに応えることができます」とGoldcrest Postのスタジオ・マネージャー、ロバート・ウェザオール(Robert Weatherall)氏は話します。「独自のモジュラー式のおかげで、カスタム・フレームを作り、弊社のインライン・コンソールの内部にS6を人間工学的に配置することができました。これは、今までのコントローラーではできなかったことです。仕事の必要に応じて、素早くかつ簡単に、シアターの構成を変更することができます。」

 

 

 

本プレスリリースについては、以下までお問い合わせください。

アビッド テクノロジー株式会社 マーケティング部 03-3505-7937(代表) news_jp@avid.com

 

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[Avid Blogs]トロントのテクニカラー社:エミー賞受賞リレコーディングミキサー“フランク・モロン氏”の世界  もぜひご覧ください。

2014年8月29日 (金)

いよいよ来週!9/2開催S3Lセミナー、株式会社フリーウェイ様のトークセッションも!

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ライブサウンドシステムS3Lシステムご紹介セミナーの開催がいよいよ来週に近づいてきました(9/2開催)。このセミナーでは、S3Lを実際にご導入いただいている、舞台音響・照明の総合プランニングカンパニーである株式会社フリーウェイ様のトークセッションも追加決定!実際の現場でどのように運用されているか、サウンドエンジニアの松浦 浩太郎氏にお話を伺います。

是非お楽しみに!

 

Avidライブサウンドシステム S3Lセミナー:
~ 最新のVENUE 4.5 & EuControl v3.2でパワフルかつポータブルなライブサウンド制作ワークフローを構築 ~

  •  日程        : 2014年9月2日(火)
  •  時間        : 13:00 ~ 15:00(受付開始 12:30)
  •  会場        : 城西国際大学 東京紀尾井町キャンパス3号館、B1F、多目的スタジオ
  •  住所        : 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-3-20 (地図)


【アジェンダ】

*プログラム内容は変更になることがあります。

【お申し込み】

本イベントは参加無料ですが、事前のお申込みが必要です。下記よりお申し込みください。

  イベントに申し込む >>    

 

 

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同日開催!Pro Tools | S6セミナー

本セミナーと同日の9/2日16:00より、同会場にて、プラグイン拡大モード、チャンネルストリップからのオーディオ編集、VCAスピルモード、EUCON対応DAWサポートなど、新機能満載の最新アップデートをご紹介するPro Tools | S6セミナーが開催されます。プロミキシングワークフローを最敵意する最先端のコントロールサーフェスの実機をご覧いただく絶好の機会です。
ご興味のある方はこちらも是非ご参加ください>> 詳細・登録

2014年8月22日 (金)

S6事例: 東京工芸大学 芸術学部アニメーション学科:Pro Tools | S6でアニメーション制作での音の可能性を追求する最高の環境を

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クールジャパンコンテンツの中核として世界的な注目を集めるアニメーション。東京工芸大学芸術学部アニメーション学科は、今後大きな発展が見込まれるアニメシーンで活躍できる人材育成を目指し、日本の4年生大学として初めて設立された学科です。2014年3月に中野キャンパスがリニューアルされ、それまで厚木キャンパスで行っていた3~4年生のカリキュラムが中野キャンパスで行われることになりました。これを機に学舎となるスタジオも新設、Avidの新型コントロール・サーフェスPro Tools | S6が日本でいち早く導入されました。そのいきさつやメリットなどを、同科助教の「橋本裕充」氏にうかがいました。
 

新規性と市場シェアを考え合わせた選択
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橋本氏は、アニメ制作における「音」の部分を教える専門家。スタジオの新設に当たってはプランニングの中心的な役割を果たされましたが、S6の導入は当初から計画されていたものではなかったと語ります。「部屋の大きさや仕様をもとに機材選定を進めていた段階では、まだS6の情報はありませんでした。入札によって機材の導入業者がタックシステム社に決まり、本格的な選定が始まったころで『新しい製品が出る』という情報をいただき、検討を始めました。そのときS6はまだ影も形もない段階なので迷いましたが、大学は研究機関でもありますので、新しい技術や製品にチャレンジする必要があると考えました。また、制作の現場で戦力となる人材を送り出す教育機関としては、現場で広く使用されるであろう機材に慣れさせたいという思いもあります。そういう意味でわれわれは大きなシェアを持つPro Toolsを使っていますし、それを操作する卓も今後はS6が主流になっていくだろう見込んで導入を決めました」

今回、アニメーション学科のスタジオに24フェーダー/5ノブ仕様のS6 M40が導入されたほか、他学科との共用施設として設置されている「サウンドラボ」にも16フェーダー/5ノブ仕様のS6 M10が導入されました。「サウンドラボ」では、インタラクティブメディアや音楽作品を作っている学生もS6を活用することになりますが、アニメーション学科のスタジオは占有施設なのでアニメ作品の制作だけに使用されます。「実際のアニメ制作の現場は分業化されていますが、大学の授業では作画から音付けまでを通して教えます。学生たちは、まず手描きで1枚ずつ描いた絵をスキャナでコンピューターに取り込み、着色してAfter Effects上に並べ、エフェクトをかけたりコンポジットを行います。この段階か少し後に音を付ける作業が入ってきます。スタジオの機能としてはMA作業のほか、音楽やセリフを録ることもできます。Pro Toolsの授業を選択している学生とそうでない学生がいますが、選択している学生にはS6を使ってPro Toolsの使い方を教えます。もともと絵を描くのが好きで入ってきている学生が多いので、S6を紹介するときもペン・タブレットになぞらえて説明するんですよ。『マウスよりもペンタブの方が直感的に描きやすいよね? それと同じでマウスとキーボードよりも直感的にPro Toolsを操作できるのがこれ(S6)』だと」

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厚木キャンパスで授業を行っていたころは大型のコンソールやコントロール・サーフェスを使用しておらず、機能的な説明はもっぱら画面表示をもとに行っていたそうですが「Pro Toolsの機能を展開するとこうなるというのが可視化されているのは教える上で大きなメリットですね。チャンネルストリップの構造や機能を説明する際にも、実際に手で触って教えられるのもいい」とのこと。

 
直感的な操作性が魅力、授業に最適な機能も

「まだまだ触り始めたばかりですが」と前置きしながらも、橋本氏はS6の直感的なインターフェースに手応えを感じたといいます。「アニメに限らず映像作品は膨大なトラック数を扱うので、私は判別しやすいように、セリフ、SE、音楽といったカテゴリーごとにトラックの色分けを行い、さらにシーンごとに色の濃淡を使い分けるのですが、フェーダー下のLEDがその色に対応しているのでとても分かりやすいですね。中央のオートメーション・モジュールも使いやすい。ほとんどの情報はここで把握できるので、さらに詳しい情報を見たいときだけコンピューターの画面を見ればいい。アナログ的というか、操作したい機能にすぐ手が届く感じもいいですね」

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さらに、授業で使用するのに最適なのが、オートメーション・モジュールのマルチポイント・タッチスクリーンを外部ディスプレイに表示させられる機能。「S6のデモを見せていただいたとき、外部ディスプレイを使った説明を見て『これは授業にぴったりだ』と思いました。大きい画面で見せられるし、表示自体もコンピューターの画面よりも視覚的なので、例えば『イコライザーの低域をこうやってふくらませると音がこう変わる』というようなことが説明しやすいですね」

次世代立体音響にも対応する恵まれた教育環境

アニメーション学科の入っている中野キャンパス2号館には、小型映画館ほどの「シアター」が設置されています。4K映像に加え、次世代立体音響「Auro 11.1」にも対応。「スタジオで作ったものをシアターのスクリーンで確認しながら仕上げる」という意図のもと、スタジオともオンラインで接続されています。「せっかく1から作るのだから中途半端なものはやめようと話していました。やはり劇場での体験は特別なものだと思っていまして、映像作品を作るのならば映画館でかかるようなものを作ることが一番の到達点だと考えています。それならば、現在あるフォーマットで最高の環境を目指そうと。実を言うと、個人的には立体音響について懐疑的な面もあったのですが、調布の日活撮影所でAuroのデモを体験させていただいたとき、とても自然、かつどこか音楽的な感じがしたんですね。これはいいなと。技術的に5.1chの延長上にあるというのも魅力でした」

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Auro 11.1は空間を3つのレイヤーに分け、従来の5.1chサラウンドの上に5chのハイト・レイヤー、頭上に1chのトップ・レイヤーを設けることで自然なサウンドを実現。専用のパンナーなどを用い、Pro Toolsでミックスを制作可能です。「すでに、モノラルからステレオ、そしてサラウンドになって表現がどう変わるかという授業を行っていますので、その延長でAuroも教えていきたいですね。アニメーションは、無の状態から音を付けていく分、実写よりも音のことを能動的に考えなければならない。それだけに面白味もあります」

自分の作品に責任の持てる人材を育成したい

このように恵まれた教育環境の中で、橋本氏はどのような学生を育てたいと考えているのでしょうか? 「先ほども申しましたが、アニメの制作現場は分業化が進んでいます。絵の専門家は音の部分には介入せずポスプロはエンジニア任せにしていることも多い。しかし、そこを一歩踏み込んで関心や興味を持ってほしいんです。楽器や機材のことを勉強することは大変ですが、例えば監督や演出家といった立場になったときに、知識を持った上で指示を出せる人になってほしい。そのための経験を大学のうちにしておいてほしいと思います。ここでS6を使えるようになっておけば、現場でS6に出会ったとき、エンジニアに具体的な指示やお願いができるでしょう」

根底には「自分の作品に責任を持てる人になってほしい」という思いがあるのだとか。また、表現の可能性についてもあきらめずに追求してほしいと語ります。「どれだけ表現できているのか?と考えれば、いつだってまだまだできることがあります。この学科に来る学生は絵に興味のある者がほとんどですが、絵だけでなく音にも大きな可能性がある。大学4年間の中で『音でこれだけ作品が変わるんだな』ということに気づいてもらえるとうれしいですね」

 


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課題
制作現場で戦力となる人材、絵と音の総合的な知識を備えた人材を育成

ソリューション

業界標準のPro Toolsと、今後主流になっていくPro Tools | S6を導入

導入製品
・ Pro Tools | S6
・ Avid Pro Tools®

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その他ご参考情報

・ Pro Tools | S6データシート
・ Pro Tools | S6紹介ビデオ

2014年8月20日 (水)

[Avid Blogs]トロントのテクニカラー社:エミー賞受賞リレコーディングミキサー“フランク・モロン氏”の世界

 

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夏の晴れたある朝、私はフランク・モロン氏と、トロント(カナダ)にあるテクニカラー社でのFX Networkの「The Strain 」という新しい人気TV番組のミキシングについて話をする機会を持ちました。番組は放送開始後、数週間であっという間に視聴率があがった一方で、フランクはこの数ヶ月間ずっと、S6サーフェス、Pro Tools | HDX、Pro Tools HD 11ソフトウェアを使ってミキシング作業していたそうです。この記事では、テクニカラー社の最新の施設とAvid Pro Mixingソリューションについて、ブログ2本にわたってお伝えします。

2_20140805_techicolortoronto01_12_3 テクニカラー・トロント

3_20140805_techicolortorontofrank_2フランク・モロン氏

  

私は幸運なことに、フランクとは10年来のおつきあいになります。私がプロダクト・スペシャリストだった当時、フランクが人気TV番組LOST制作のためにICONやPro Tools HD機材の設計・導入するのをお手伝いをしたのがきっかけでした。フランクは単なるミキサーではなく、この業界における熱心な提唱者そしてリーダーと呼べる存在です。Academy of Television Arts & SciencesのGovernorを勤めていただり、現在はMotion Picture Sound Editorsの社長でもあります。さらに、Motion Picture Editors Guildの執行役員です。また、Academy of Motion Picture Arts and Science、Recording Academyのメンバーであり、Cinema Audio Societyの役員も勤めています。

  

今日の視聴者は(現代の)TV番組に対して、映画館で感じるような体験を期待・要求しています。

  

TG: 今日のサウンドラックに対する期待のレベルとはどういったものでしょうか?視聴者はあらゆるメディアからより大きく高いクオリティの経験を要求しているのでしょうか?

FM: 今日の視聴者は(現代の)TV番組に対して、映画館で感じるような体験を期待・要求していますね。番組は高解像度(画)と5.1(オーディオ)で放送されるため、私たちは視聴者とクライアントに高いレベルの品質を届けるようかなり意識している。みんな様々なメディアで素晴らしい体験をしたいと感じているため、番組はその後、5.1 Blu-ray、DVD、ストリーミングといったバージョンも制作されます。

TG: ではそのことを踏まえて、現在、プロのミキサーが今直面している最大の課題とは一体何でしょうか?

FM: テレビ番組のミキシングにおいて現在私たちが直面している課題とは、トラック数が増え続けていること、予算がどんどん縮小されていること、そして納期がだんだん短くなってきていることですね・・・。(高い品質 – 劇場のような)5.1ミックスを、大作映画のときの制作時間より短時間で納品するよう言われるわけです。何週間という時間ではなく、何日、といった具合です。ですからミックス作業には効率的なワークフローを持つことが重要になります。

テクニカラー社のワールドワイドチームに入れたことは、大変うれしいことでした。私にとって、テクニカラー社は本当にモダンで先見的なマインドを備えた会 社であり、現代的で効率的なワークフロー構築のため、そして、優れた体験と結果をクライアントに提供できる環境に必要なテクノロジーや施設への投資を厭わ ないからです。

  

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“Avidがリリースする製品はいつも、我々ユーザーの声に耳を傾け、応えていますね

  

TG: 過去15年間におけるサウンドミキシングの革命についてお話いただけますか?そしてAvidはその革命にどのような役割を果たしてきたでしょうか。

FM: 私が映画とテレビ番組のミキシングを始めた当初というのは、テープレコーダー(Mag Film)とアナログコンソールの時代でした。ですからAvidやPro Toolsが我々のワークフローにもたらしたパワーを当然のことだとは思っていません。私は伝統的な(アナログとデジタル)ミキシングコンソールでの作業経験がありますが、結局最後には大抵オートメーションが2種類になりました。というのは、コンソールのオートメーションに加えて、Pro Toolsでプラグイン(リバーブやノイズリダクションなど)をたくさん使いたいため、結局どのセッションでも、2つずつ持ち運ぶことになるのです。(完全に)Pro ToolsとS6だけで作業する際の最も素晴らしいことというのは、どこへ行ってもオートメーションがそのまま維持されるので、あるスタジオから次のスタジオへシームレスに移動できるということです。

当時は、今日のような私たちへのニーズはありませんでした。Avidは、プロジェクトを完成させ、クオリティの高い結果をクライアントに納品するための方法を私たちに与えてくれました。これは革命であり、その革命は今も続いています…Avidはいつも、ミキサー、エディター、音楽エンジニア、作曲者が必要とするものに耳を傾け、それに応える製品をリリースしていますね。

  

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"S6はよく考えられた製品で、ユーザーが必要なすべてに指先で届くよう、人間工学に基づいたレイアウトになっています。ですから、仕事がすごく速くなりました。S6での作業は本当に楽しいです"

 

TG: Pro Tools | S6ソリューションへたどり着いた経緯を教えてください。また、(以前のソリューションと比較して)S6はあなたのミキシングスタイルをどう変化させたでしょうか?

FM: 何年も前にLOSTをミキシングし始めたとき、当時、大規模なトラック数を扱うことができ、ワークフローを効率化するにはICONとPro Tools HDだとすぐにわかりました。あの番組制作では言いようもないほど優れたツールでしたね。とてもすきでした。

LOSTでは、(HDシステム7式のために)7台のコンピューターモニタを使って、必要な情報を表示させていました。今では、S6のおかげでTFT(メーター)ディスプレイがあり、すべての情報が私の目の前にすぐ表示されます。あちこちを見回すことなく、すぐに情報を得ることができるようになりました。そして、スクロール表示される波形がとても気に入っています。というのは、台詞のプリミックス作業の際、トラック上にある台詞がいつやって来るか視覚的に分かるからです。スクロールされる波形の横に、メーター、コンプレッション、EQカーブが表示されることもうれしいです。作業に没頭できるようになります。これまでは得られなかった作業リズムと効率性が実現できます。

ICONとS6の多きな違いのひとつは、省スペースであることだと私は思います。Avidはスペース効率を高め、より小さいスペースにたくさんの機能を搭載した作業デスクを実現しました。S6は驚くほどの改良を見ることができます。よく考えられた製品で、ユーザーが必要なすべてに指先で届くよう、人間工学に基づいたレイアウトになっています。ですから、仕事がすごく速くなりました。S6での作業は本当に楽しいです。

TG: ICONからS6への移行はいかがでしたか?

FM: ICONからS6への移行は、実質的にシームレスで、数時間ほどでしたね。Pro Tools HDやそのオートメーションに慣れていれば、ICONとS6はまさしくそれを延長したような感じで、簡単です。

 

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TG: Pro Tools HDからPro Tools | HDXへの移行についてもお話いただけますか?

FM: Pro Tools | HDXカードのリリースにより、我々が得ることができるパワーは格段に増えました。扱えるトラック数、DSPパワー、サウンドクオリティが向上しました。改良の結果が良くわかったので、移行しやすかったですね。LOSTではHDシステム7式が必要でしたが、今のPro Tools | HDXの場合は3式(台詞/音楽/グループに1式、FXに1式、BG/フォーリーに1式、レコーダーが1つ)だけになります。Pro Tools | HDXの技術進歩により、私たちは効率的に作業できる機能とワークフローを得ることができました。

TG: 他社製品と比較して、S6が搭載する機能のうち最も競争力のある機能は何だとお思いですか?

FM: HDXとS6コンソールの組み合わせはとてもパワフルです。S6が搭載する機能のうちいくつかは(特に最新のソフトウェアV1.2)は、気に入っています。私の場合、基本的にはタッチスクリーンを使ったり、あるいはVCAやVCAスピルを活用したりしていますが、どんなトラックでもすぐに見つけることができます。どれもパワフルなツールです。しかしもし私が1つだけを選ばなくてはならないのであれば、タッチスクリーンが大変素晴らしい機能だと思います!気づけばいつもタッチスクリーンを使って、トラックをスクロールしたりEQやサラウンドパンナーを使っていますね。作業がすばやく、効率的に行えますし、それにとっても楽しいです。そう、S6はいうなれば作業するのが楽しくなるコンソールです。

 

"Pro Toolsは我々の業界では必要不可欠。使えるようになればなるほど、自分自身の価値が高まります・・・"

 

TG: 購入や導入でのAvidチームとのやりとりはいかがでしたか?

FM: Avidからのサポートは言葉にできないほど手厚いものでした。我々テクニカラー社が発注したとき(北米で最初のS6デュアルオペレーターでした)、厳しいスケジュールの中で番組を制作するためのサポートを受けられるか重要な問題でした。Avidのサポートは素晴らしかったです。すぐに作業ができる環境を提供してくれ、必要なときにすぐにサポートしてくれました。どんな製品でも重要なことですが、いつでも後ろで支えてくれる人がいることは何より良いことですし、Avidは並外れたサポートを提供してくれました。

TG: 学生や若いミキサーたちにアドバイスをお願いします。

FM: 映画やTVミキシングの業界に入りたい人たちに対して私ができるアドバイスは、Pro Toolsは我々の業界では必要不可欠だということ。使えるようになればなるほど、施設における自分自身の価値が高まります。Pro ToolsやS6のようなサーフェスををマスターすれば、人材を探しているスタジオにとってこれ以上ないほどの価値をあなたに与えてくれることでしょう。

 

次のS6ブログをお楽しみに!

 

 

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本ブログはAvid Blogs「Inside the World of Emmy-Winning Re-Recording Mixer Frank Morrone at Technicolor Toronto」の翻訳です。

 

オリジナルブログ著者:

トム・グラハム 

Avidのポスト・オーディオとプロ・ミキシングのマーケティング・マネージャー。ベテランのエンジニア/レコーディスト/エディタでもある。「アイス・エイジ」、「コラテラル」、「ザ・スプリット」など多くの映画の楽譜も手がけている。

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2014年8月 8日 (金)

[S3L System] Massive Attackツアーに同行: ショーは続く

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以下の記事は、ロブ・アラン氏によるシリーズ記事On Tour with Massive Attack」(英語)の一部です。ロブは、ツアーFOHエンジニアおよびAvidライブ・サウンド・チーム・メンバーの両方の立場から自身の見解を述べています。

 

ソフィア

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大好きなバンド、マッシヴ・アタックのツアーに同行し、これまたお気に入りの卓、Avid S3Lでミキシングを行い、楽しい時間を過ごしています。僕たちは、やや断続的なプロダクション・リハーサルのスケジュールを終えたところで、ツアー初日を迎える準備を整えたばかり。その舞台となるのは、ブルガリア・ソフィアだ。

 

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ショーの会場であるアイスホッケー・アリーナの音響は、巨大なクッキー缶を逆さにして、コンクリートに埋め込んだのとだいたい同じような感じ。ただ、いつものことだけど、ロックンロールではこれはまったく関係ない。パフォーマンスとパワーが重要だからね。最高のショーでは、バンド、クルー、オーディエンスが少しの間一体となり、「我を忘れて音楽に浸る」という、たったひとつの目的を持ったコミュニティが生まれるんだ。

 

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今回のマッシヴのショーは僕にとって8年ぶり。少し緊張してる。「Battlebox」でショーが幕を開けると、首筋に鳥肌が立つ。2万人の観衆が歓喜の声を上げる。スターリン時代に建てられたアリーナいっぱいのオーディエンスの叫び声の響きで、一瞬バンドが聞こえなくなる。すべてを最大まで上げたい衝動に駆られるけど、なんとか我慢。ここでフルパワーにしてしまうと、このあと調整がきかなくなるからね。「Angel」でボリュームをピークにして、「Unfinished Symphony」に次のピークを持ってきて、その後アンコールの終わりまで最高潮を維持させるプランだ。「Angel」が僕にとっていつもセットの目玉だから、それまで抑えておく必要がある。オーディエンスの歓声が長い間このレベルを維持することはないと思うけど、ステージが進むにつれ、オーディエンスのパワーと熱意に驚かされる。

最初の数小節の間に、キットをすばやく確認する。タイムコードは進んでいるか?スナップショットはトリガーされているか?Pro ToolsセッションがCat5eの64チャンネルで録音されているか?2トラックの参照ミックスを48kの24-bitでUSBキーに録音し、スナップショットがソング・タイトルを自動編集して各.wavファイルに自動入力するようにもしているから、それも確認する。すべて問題なく動作しているようだ。友人のラドゥがルーマニアからやってきて、Sensorのボーカリストを連れてFOHにやって来た。目が合うと、彼は笑って親指を上げるしぐさをした。

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マルティーナが歌い始めたら、LRバスのEQを確認する。S3Lにはグラフィック・イコライザーとパラメトリック・イコライザーが各出力に搭載されている。サウンドチェック中に、手に負えない音響環境をなんとかするために、GEQでいつもよりも多めに特定の周波数をカットしておいた。この音響環境に2万人のブルガリア人の歓声が与える変化を判断しつつ、カットしておいた周波数の一部をゆっくりと戻していく。こうすることで、いくらかのダンプ効果を得られることはもちろん、オーディエンスの声とダンスの熱と蒸気を大きく上昇させることができる。「電話周波数」と僕が命名している、声が強調されて単語が明瞭になる600~3kの帯域の一部を取り除く。また、100~200Hzのベースギター周波数の一部も戻す。室内が空っぽのときは重低音が効き過ぎの印象だったけど、ここでもう少しパワーを加えてもいいだろう。今のところ、GEQはほとんどフラット。これでいい。今朝ベニー(プロダクション・マネージャー)に、僕のチャンネルのほとんどがフラットで、システムEQはフラットなのが理想的だという話をしたんだけど、そしたら彼が、僕があまり仕事してないようだから減給した方がいいって!笑っちゃうよね。だからこう説明したんだ。ソース・サウンドはグレート、マイクは良好で配置も問題なし、S3Lプリアンプは最高。自分の耳と機材が信用できるものなら、手を加えないことが賢明な選択という場合もあるってね。

ローディーのルール: 正当な理由がないかぎり、信号経路には手を加えないこと。大音量にしたいなら、レベルを下げない!

ショーも落ち着き、僕も、音楽とそれに対するオーディエンスの反応を楽しむことができた。ショーの進行に合わせて、各ソングのスナップショットに細かい調整を加えては保存していく。こうしておくことで、ツアー開始後のいくつかのショーやサウンドチェックの間に、プロダクション・リハーサルで行った作業を洗練させ、より深めることができる。「Angel」の番がやって来た。スタジオワン黄金時代の最後のレゲエ・シンガー、ホレス・アンディが、誰にも真似のできないすばらしいパフォーマンスを見せてくれた。彼は本当に変わらない。歌声の音節ひとつひとつに喜びがあふれ出ている。「Love ya, love ya, love ya」のフレーズにミックスの左から右にパンするディレイをかける。そのあとはドラムとギターの登場だ。PAはフラット、オーディエンスが自然と歓声を上げる。自分の仕事が最高だと思うのはこんな瞬間だ。

 

ビジュアル

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それぞれのショーで、バンドは地元のジャーナリストや翻訳者に協力してもらい、心を打つ入念なビデオを投影した画面の上に過激なメッセージを表示させる。「Future Proof」のときに表示されたメッセージがどういう意味だったのか分からないけど(僕のブルガリア語はさびついてるからね)、オーディエンスの反応はすさまじく、アリーナの天井が吹き飛ぶかと思うほどだった。この仕掛けは今も進行中で、特に地元の文化、政治情勢、環境に関連して、各会場と国に合わせて変わる。マッシヴ・アタックのショーですばらしいのは、彼らがいつもバックライトを使用していて、ほとんど暗闇の中にいることだ。要は、音楽とビジュアル・コンセプトがすべてなんだ。最高のバンドを伴った巨大なアート・インスタレーションって感じ。エゴむき出しのスタンスが一切ない。正面から光が当たるのは、最後のアンコールが終わって、9名全員がオーディエンスに手を振り、ハグし合うときだけだ。

イスタンブール

次はイスタンブール。市中心部の公園が会場だ。PAは、非常にうまくセットアップと配置がなされた宙づりのK1。ショー当日、僕は早めに現場に行って、卓とPro Toolsリグをセットアップしてバーチャル・サウンドチェックを行った。すべての出力処理をフラットにして、再生ボタンを押し、スナップショットを呼び出す。Pro Toolsがソフィアでのコンサートのショー・ファイルでの位置にジャンプしてくれる―ほとんど僕が望むサウンドになっている。プロセッサーのサブに少しレベルを加えて、いくつかの曲を処理したら、ほぼ完了。野外なので反響が少ないから、少しリバーブを加えないと。お気に入りのSonnoxリバーブを使用するいい機会だ。初期反射と残響の間でフェードさせることのできる機能が気に入っている。面白い可能性を広げてくれるからね。数年前、The Black Bombersの典型的なロックンロール作品をミックスしたんだけど、そのとき、レトロな音の楽器の効果を出すのにこのプラグインを使用した。ほかにも、セットの一部のドラム・グループの波形のシェイピングにSonnox Transmodを、両方のドラムキットのパラレルコンプレッションにSonnox Dynamicを使用した。

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その後、最高にクールな出来事が起こったんだ。トルコ人ラップ・アーティストCezaのミックスを行っている有名なアッカヤ兄弟のイシュマエル・アッカヤが、彼のS3Lを手にFOHに現れ、S3Lでバンドのモニターのミキシングを行ったんだ。言葉は通じないけれど、すばらしい合同セッションだったよ。プラグインを比較して、互いに親指を立てて笑顔を交わした。彼のショーのサウンドはすばらしかったし、うれしかったね。明瞭で低域に十分な広がりがあって、それでいてラッパーの声の明度はすばらしい。ときどきものすごい早口のトルコ語でまくし立てていて、意味は分からなかったけど、面白かったよ。

ショー・ファイルのポータビリティは窮地を救う

オーディオの問題は誰にも起こって欲しくない。他人の不幸を見て喜ぶようなことは好みじゃないけど、あの日、別のメーカーのコンソールを使用してた別のバンドに起こったある事件は、ショー・ファイルのポータビリティの重要性を実感させてくれる出来事だった。Avidの卓では、どんなバージョンのソフトウェアを使って、どんな卓からUSBキーに保存したショーでも、他のAvidの卓で問題なく立ち上げることができる。あのかわいそうなFOH担当は、ショーを一切ロードすることができなかったんだ。すべてね。同じメーカー、同じモデルだけど、バージョンが違ってたらしい。開演まで何時間も頑張ってたけど、結局あきらめた。バンドは、LRフィードをFOHのPAシステムに送るモニター卓からミックスすることになった。きついよね…。担当がたばこを立て続けに吸いながら悪態をつく間、僕も辛かったよ。

ついに僕たちのショーの番になったとき、このシステムで良かったと思ったね。昔のL-Acoustics V-DOSCシステムでは、ローエンドのパンチを得るのがなかなか難しかったけど、K1なら問題ない。マッシヴ・アタックの音楽にはローエンドが使用されていることが多いけど、ローエンドはパンチがあってはっきりしていなければならない。K1は、僕が正しいと思うサウンドに近づける手助けをしてくれる。「Future Proof」がスタートすると、スクリーンにトルコ語でフレーズやスローガンが表示され、オーディエンスが声を上げ、腕を振り上げ始めた。後で聞いた話では、市内の公園を封鎖の手から守るスローガンだったらしい(ショッピングモールはもう十分だよね)。この曲が終わっても、歓声はなかなか止まなかった。とてもパワフルだったよ―まるで、ここから革命が始まるかのようだった。

バルセロナ

次の目的地は僕の故郷バルセロナ、そしてすばらしいSonarフェスティバルだ。市内のさまざまな会場で昼夜開催されるこのフェスティバルは、世界最大規模のダンス/エレクトロニック・ミュージックの祭典だ。ここでもK1システムが使用されているけど、こちらはものすごい規模。Twin Cam Audioのスタッフがすばらしい仕事をしてくれたおかげで、本当にすばらしいサウンドのPAだった。僕の息子2人もショーにやって来て、楽しい時間を過ごしたよ。下の息子アジャーニが僕のショー・ミキシングを見るのはこれが始めてだった。僕がフルタイムでツアーに参加するのを止めたとき、彼はまだ4歳だったんだ。ショーの間、FOHで僕の隣に彼が座っているのはうれしかったね。妻ローデスは、友人たちとオーディエンスにもみくちゃにされながら踊ってたよ。マッシヴ・アタックは彼女のお気に入りのバンドでもあるんだ(僕たちって本当にお似合いのカップルだよね)。彼女によれば、マッシヴ・アタックの音楽はイド(本能的衝動の源泉)にダイレクトに語りかけるから、ダンスするしかなくなるらしい。上の息子イバイも、友達を連れて来場していた。彼らは一晩中会場にいたよ。フェスティバルは次の日の朝食の時間になって終了した。息子の友達たちは、バックステージ・パスをもらって大喜びしてた。スターに会えるからじゃないよ。バーでタダ飲みできるからさ!そのうちの一人は、肩を脱臼して救急車で運ばれたんだ。脱臼はダンスのせいで、決してバーで飲み過ぎたからじゃないって言い張ってたよ!

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コンサートは最高だった。マッシヴ・アタックのファンが3万人も来場したからね。スペインのオーディエンスはいつも最高だ。彼らは格好つけようとせず、とにかく楽しもうとするんだ。僕たちの出番は有名DJのすぐ後だったんだけど、彼のシステム・セットは衝撃だったね。とにかく大音量で、密閉型ヘッドフォンのレベルを11まで上げてライン・チェックがやっと聞こえるくらいだった。頭を切り換えてバンドがステージに立つまで3分くらいしかなかった。レーザーなどを駆使した最高のビジュアル。ショーは希望どおりのものになった。バンドのマネージャーは、ここ数年で最高のサウンドだったと言ってくれた。たぐいまれなS3L卓と、モンスターK1リグをほめてもらったんだと思ってるよ。

これ以上ハッピーなことはなかったよ―家族が来てくれて、あらゆるニュアンスと僕が加える繊細な変更を再現してくれるS3Lを使用して僕が思う世界最高のバンドのミキシングができたんだからね。ショー後はなかなか大変だった。別のDJがこれまた大音量で、脳みそが爆発するんじゃないかと思ったよ。サウンドは凶器そのものって感じだ。深夜スロットのキットがセットアップされる間に、僕たちはパッキング。僕たちのキットの一部は、レイキャビク行きのチャーター機737に向かう別のトラックに乗せる必要があった。これらすべてを、世界最大音量のディスコが繰り広げられている間に身振り手振りでオーガナイズしなければならなかった。大変だったけど、とにかくやり終えて、すべてをあの遠くて見知らぬ北の素敵な国に届けることができた。

アイスランド

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とにかく言えることは、機会があればアイスランドを訪れるべきだってこと。本当に美しいんだ。ものすごく幻想的な景色と、野性味あふれるドラマチックな自然でいっぱいだ。レイキャビク市内の小さなフェスティバルで演奏したんだけど、ここではMeyer Miloシステムが用意されていた。このシステムを扱うのは久しぶりだった。とても音楽的だけど、バルセロナのシステムのようなパワーと強烈な存在感はなかった。それでも楽しかったし、ショーもとても上手くいった。奇妙だったのは、空がまったく暗くならないこと。本当に、少しも暗くならないんだ。太陽は沈んだと思ったらまたすぐに姿を現す。

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僕たちのセットが終わったのは午前1時だったんだけど、午後1時のような明るさだったよ!S3Lは地元のクルーからかなりの注目を集めていた。こんなにコンパクトでパーフェクトな形状の筐体がパワフルなサウンドをもたらすことに皆驚いていたね。

 

休日

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 次の日、僕たちの運転手を努めるラブ(本名らしい!)が、彼の故郷であるアイスランドの名所を案内してくれた。巨大な滝、間欠泉、氷河、野生の馬などを見た後、丘の中腹に沸いている天然露天温泉に浸かって観光を終えた。最高だったよ。参考にいくつか写真を載せておこう。これまでにも何度か素敵な休日を過ごしたけど、その中でも最高の休日のひとつと言えるかもしれない。

今回の休日は、ツアー中に体験したいくつかのすばらしい出来事を思い返すきっかけになった。ブラジルで1日休みを取って、豪華な食事や飲み物が並ぶ華やかな特別なテラス席(ポップ・スターも何人か同席してた)からカーニバルを見学したこと。ゴージャスなコスチュームに身を包んだダンサーがサンバのビートに合わせて踊るのを一晩中眺めていたな。メキシコのテワカンで、太陽のピラミッドの頂上に太陽が昇るのを見たことも思い出した。

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一緒にツアーに回っていたバンドがシャーマンを雇って、一般公開時間の前に入る許可を特別にもらったんだ。夜中に現場に着いて巨大なピラミッドに上り、スピリチュアルで人生を変えるような体験をした。霊的な何かを感じることはなかったけど、シャーマンがお経を唱えながら儀式を行う間、皆笑いをこらえるのが大変だったことはよく覚えてる。とにかく、ピラミッドの頂上で、太陽が昇るのを眺めるのは楽しかった。

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マニック・ストリート・プリーチャーズとのツアーでの写真もいくつか紹介しておこう。最高にクレイジーなギグ(これについてはブログでまた詳しく話すつもりだ)の後、バンコクの市場で撮ったデプトフォード・アンディと僕の写真。市場の屋台で働いている女の子がくすくす笑いながら、僕たちをからかって「ファラン、ファラン、ビーチはあっちよ」って背後から声をかけてきたっけ。

もうひとつ印象的な休日の思い出は、ポルトガルでヨットをチャーターして、冷たいビールを飲みながらアルガーブまでクルーズしたことだ。そのときのメンバーは、「JDB」、「マッドドッグ」レイチ、「デプトフォード」アンディ、「ムーンボーイ」グリットン。このときのメンバーにはニックネームが多かった。僕のあだ名は「ラバー・ボタン」―理由は聞かないで!

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今週末は、グラストンベリーで泥まみれでどんちゃん騒ぎする6万人の観客を前にヘッドライナーを努める予定だ。楽しみだよ!

 

 

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オリジナルブログ著者: ロブ・アラン氏

ラ イブサウンド・エンジニアとして、コールドプレイ、マッシヴ・アタック、マニック・ストリート・プリーチャーズ、ナタリー・インブルーリア、リチャード・ アッシュクロフト、リサ・スタンスフィールドといったすばらしいアーティストと仕事する幸運に恵まれる。また、「デイヴィッド・レターマン」、「サタ デー・ナイト・ライヴ」、「ジェイ・レノ」、「ザ・ブリット・アワード」、「MTVミュージック・アワード」、2010ワールドカップ・キックオフ・コン サートなどのテレビ番組のミキシングも担当。

 

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2014年8月 7日 (木)

細合 正吾 氏インタビュー 〜 一流音響エンジニアが語る「Avid S3L System」の魅力と使い勝手〜

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「細合正吾(ほそあい しょうご)」氏((株)トレジャーアイランドコーポレーション)は、現在、東儀秀樹・小林幸子・森昌子・ファンキー加藤などや過去には、山口百恵・さだまさし・松山千春・小林旭・ファンキーモンキーベイビーズなど、だれもが知る一流アーティストのコンサートなどにて、舞台音響を手がけられている会社の代表でありエンジニアです。PA/SR用デジタルコンソールの創生期から、積極的にデジタル技術を現場に取り入れ、常に最先端のシステムとワークフローを模索すると共に、最良のサウンドを追求し続けている同氏は、現在Avidの最新ライブサウンドシステムである「S3L System」を全面的に活用し、日々の音響エンジニアリング業務を遂行しているといいます。

本インタビューでは、日本全国のみならず海外などでも、数多くのコンサートツアー音響を担当され多忙を極める同氏にとって、今や欠かせない存在っているデジタル・ライブサウンドシステムや「S3L System」について、その魅力や使い勝手などさまざまな角度からお話をお聞きしました。

 

デジタル化に対する不信感や抵抗感を感じることはなかった

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古くは、Digidesign時代のVENUEシリーズにはじまり、10年以上にわたり、Avidのライブサウンドシステムを使用し続けている細合氏は、デジタルコンソールの初期導入に関しても大きな違和感を感じることはなかった語ります。「社としても個人としても、PA/SR機材のデジタル化が進むにあたって、かなり初期の段階からデジタル技術に関して前向きに取り組んできたつもりです。当時はまだデジタルコンソールなどに対する不信感もある時代でしたが、十分な検証を行い現場導入したものは、アナログであろうがデジタルであろうが、基本的に絶対的な信頼をおいていますので、特にデジタルコンソールだからといって大きな違和感を感じることはありませんでした。もちろん、18歳からキャリアをスタートして30年近くはアナログ機材のみの時代だったわけですから、最初はオペレーション部分などで多少の慣れなどは必要になりましたが・・・。とはいえ、最初期のデジタルコンソールは、アナログに負けず劣らず巨大でしたので、大人が数人がかりでやっと移動できるなど、可搬性という意味では簡単ではありませんでしたね(笑)」(細合氏)

 

快適なライブレコーディングを実現してくれた「D-Show」

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音響エンジニアとしての長い経験と豊富な実績を持ちながら、最新のデジタル機材に対しても柔軟な考えを持つ細合氏は、過去には国内外のメーカーを含めた複数のデジタルコンソールを使用していましたが、Avidの「D-Showシステム」が発表された翌年には、他に先駆けて導入を行うこととなったそうです。
その経緯と印象について同氏は「当時、ちょうど手がけていたツアー音響で、ライブをマルチトラックで毎公演ごとにレコーディングし、さらにそのレコーディング素材を元にライブCD、ライブDVDを作成するといったシチュエーションがあったんです。レコーディングはPro Toolsで行うのが前提でしたので、Pro Toolsとの相性が抜群のライブサウンドシステムの登場は、まさに絶好のタイミングだったわけです。実は、D-Showシステムの導入はツアー開始数日前のゲネプロからとった強行スケジュールだったのですが、即戦力としてきっちり現場での信頼に応えてくれたのがとても印象的でした!

ちなみに、D-Show導入初年度はPro Tools LEで、さらに翌年からはPro Tools HDでレコーディングを行ったのですが、結果的にそれ以前のライブレコーディングとはスタイルが一変するほど快適なオペレーションが可能となりました。Avidのライブサウンドシステムは、音質的にも非常にクセがなく、あえてクセを付けようと思えばプラグインを使用することでいつでも目的のサウンドを素早く得られるようになったこともあり、アウトボードなどアナログ機材は必要最低限のものだけを持ち歩くだけになりました。また、ライブサウンドシステムのデジタル化による、何よりも大きなメリットである、システムの省スペース化においても大きく進歩したのではないでしょうか。」(細合氏)

 

「S3L」ならライブサウンドシステムをすべて一人で持ち運べる!

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そして、進化を続けるAvidのライブサウンドシステムは、2013年に次世代システム・アーキテクチャーを採用した「S3L System」へと進化を遂げました。同製品では、バンク切り替え可能な6つのレイヤーと16フェーダーを搭載したコンパクトな「S3コントロール・サーフェス」、全VENUEシステムのミッション・コントロール・ソフトウェア、VENUEソフトウェアを使用でき、Pro Tools | HDXを使用したプロセッシング・エンジンをも搭載した「E3エンジン」、マイク・プリアンプのリモート・コントロール機能がついた16アナログ入力/8アナログ出力などを実現する「Stage 16 リモートI/Oボックス 」など、各デバイスがモジュラー構成となっており、さらなる高音質と安定性に加え、強力な可搬性を同時に実現します。そんな「S3L System」は、現在の細合氏の音響プロダクションになくてはならない強力なパートナーとして活躍しているそうです。「音響を担当している東儀秀樹さんのコンサートでは、S3LSystemをメインに使用しています。基本的なシステムのコア部分だけであれば搬入はもう一人でも十分になってしまいました。以前ではまったく考えも及ばなかった手軽さで高品位なライブサウンドシステムを構築できるのには驚かされました。最近は、よく会場のスタッフなどにS3コントロール・サーフェスを、照明用の調光システムと勘違いされてしまうほどコンパクト!(笑)さらに、Avid S3Lなら、AAXプラグインやPro Tools | HDXシステムを使ったプロセッシング・エンジンのおかけでサウンドクオリティの高さも間違いがない。制作スタジオと変わらない音質でライブミックスを実現できるのは、ステージ上のアーティストにとっても安心感が高いはずです。また、会場でのセットアップについても、Ethernet AVB対応のおかけで、Ethernetケーブルをシンプルに接続するだけで、面倒な入出力設定やノイズにも煩わされることなく、最大64入力インプットものライブサウンドシステムを素早く設定できるのも、現場のエンジニアにとっては非常にメリットが大きいですね。

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今後リリースが予定されているアップデートにより、カスタムフェーダー機能への対応をはじめ、EUCONプロトコルを使ったPro Toolsのリモート&ミックス作業も可能なるらしいので、今から非常にアップデートが待ち遠しいです!」(細合氏)

 

 

 

株式会社トレジャー アイランド コーポレーション
オフィシャルWebサイト http://www.ticjp.com/

 

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課題
コンサートの観客数を増やし、ライブビジネスでの収益化を向上させる。

ソリューション
持ち運びしやすいコンパクトなS3L導入により、オペレーション領域の省スペース化を実現。
Ethernet AVBによるシンプル配線で現場での煩雑な作業を低減、さらに、AAXプラグインやPro Tools | HDXシステムのエンジンで、制作スタジオと同じクオリティのライブミックスが可能。

導入製品
・    Avid S3Lシステム
・    Avid Pro Tools®

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その他ご参照情報

2014年4月25日 (金)

Avid S3Lシステムがプライマル・スクリームの2013ワールド・ツアーを牽引

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Avid S3Lシステムがプライマル・スクリームの2013ワールド・ツアーを牽引

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スコットランドの象徴的なオルタナティブ・ロッカー、プライマル・スクリームの最新ツアーでは、機器を運ぶためのスペースがクルーにとって非常に重要でした。 FOHエンジニアのマイケル・ブレナン氏は、ツアー・バスに牽引する小型トレーラー車にキットを積み込まなければなりませんでした。ツアー・バスはヨーロッパ各地や日本への短い滞在期間を経てツアー最終日前に英国に戻ります。 通常、スペースが不足している場合はミキシング・コンソールなしでツアーに出ます。

過去8年間にわたりAvidシステムを専門に取り組んできたブレナン氏は、代替ソリューションを使ってAvidにアプローチしました。具体的には、用途が広くコンパクトな新しいS3Lライブ・サウンド・システムを採用しました。 「このプライマル・スクリームのツアーにはいくつかの理由からS3Lを使用したかったのです。」とブレナン氏は言っています。 「私はこのサウンド・クオリティが群を抜いていることを知っていました。また、コンソールとステージボックスのサイズがコンパクトであるため、トレーラー車に積み込むことができます。 また、VENUEですでに作成したショー・ファイルと互換性があったため、移行を単純に行える自信がありました。」

コンパクトなサイズと高いパフォーマンスを同時に実現

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新しいコンソールもツアーで日本デビューを果たし、 Clair-Japanによってローカルで供給されました。 「S3Lは小規模なクラブ・ツアーに最適です。S3Lのモジュラー・システムと、ネットワークでつながれたEthernet AVBアーキテクチャにより、設定時間が非常に短くなります。また、必要に応じて拡張するのも非常に簡単です」と、ブレナン氏は説明しています。 「64チャンネル・デスク、48ラインのステージボックス、75m Cat5eマルチをおよそ10分で設定できます。 このサイズならスペースを節約できて申し分ありません。 このように小型であり、モジュール型でなかったら、ツアー向けに積み込むことはできなかったでしょう。 これを輸送バン、スプリッター、トラック、乗用車、飛行機で運びましたが、移動は大変楽でした。」

S3Lの効果を直ちに感じたのはサウンド・エンジニアだけではありません。 「開催地でも非常に人気があります。スペースをとらないため主催者はより多くのシートを販売できます。主催者は明らかに気に入っています」と、ブレナン氏は言っています。

もうライバル製品には戻らない

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2005年のスーパー・ファーリー・アニマルズのツアーでD-Showを初めて使ってから、マイケルはずっとAvidのユーザーで、決して他に目を向けることはありませんでした。 その後、彼はAvid Mix Rackシステムを使い、非常に感動し、彼自身の1台を手に入れました。それ以来、彼が携わったツアーにはすべてこのシステムを持参しています。 また彼は、この15年間に、スノウ・パトロール、プライマル・スクリーム、モグワイ、スーパー・ファーリー・アニマルズなど数多くのアルバムのミキシング、プロデュース、レコーディングを行い、これらに必ずPro Toolsを使ってきました。

「Avidは、ライブ・サウンドの業界標準ですね。 グローバルに活用できるし、このシステムで700回以上の公演でミキシングを行ったけれども、一度も失敗したことがありません。」とブレナン氏は言います。 「ライバルのデジタル・コンソールと比べて、Avidのライブ・システムを使うことの優位点は、すばらしいサウンド・クオリティ、機能性と信頼性、そしてすべてがコンパクトなサイズにまとまっていることです。 このすばらしいプラグインに加えて統括的なサポート、そしてバックアップは、まさに最高の選択です。 これらの利点は、どんなツアーにおいてもオーディオ一貫性に対して、そしてすばらしいミキシング体験には不可欠なものです。」

Avidシステムを使って得られる費用対効果について、ブレナン氏はこう言います。「大規模なシステムの場合、とても高い値段を払って、ゆとりのないトラックのスペースに積み込む可能性があります。でも、S3Lのおかげで、小規模のツアーでは、自分自身のボードを、バンに積んで運ぶことができます。 また、Avidのワールドワイドなサポート・ネットワークに連絡を取って地方でもボードのスペックを手に入れることができるので、送料を節約できるのです。長いツアーの間では、これは本当に意味のあることです。 Mix Rack、Profile、SC48、S3Lを調達できなかったなんて考えられません。私のショー・ファイルはこれらすべてと互換性があるので、これらのシステムのいずれかを使うことにとても満足しています。」

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「さまざまなサウンド・システムのカタログやサウンド・ルームのEQを構築してきました。これでどこのライブにもPAを持っていけるようになり、私が保存した設定をすぐに呼び出せるようになりました。これは初歩的ですが、非常に重要なことです。 ボード上のプラグインやパッチ機能を使用することで、ボードをシステム・コントローラーとして使用したり、さまざまな場面にまたがって使用することができます。 これで、システム・コントローラが破損した2回とも何とか乗り切ることができました。すばらしいことです」とブレナン氏は付け加えました。

ワークフローをスピードアップ

ブレナン氏はいつもAvidのVirtual Soundcheck機能を使用しているため、ツアーの開始前は常にショーにダイヤルインします。 「バンドがリハーサルにやって来たら、私はコンソールからセットを直接Pro Toolsに録音し、FOHでアーティストと一緒に座って、セットに好きなポイントを配置して彼らが私のミキシングを聴けるようにします。 このシーン機能はすばらしいブレイクスルーであり、パワフルです。アーティストは実際の音を聴くことができるため、自分がこの作業に関わっていることを実感し、自信が持てるようになります。 これは大変クリエイティブなツールで、私とバンドの双方が思い通りの音を認識し、作り上げることができます。」

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プライマル・スクリームの2010スクリーマデリカ・ツアーでは、ブレナンはPro Toolsにすべてのショーを録音し、Avidの業界標準のDAWを使用してステレオと5.1方式のライブDVDをミキシングできました。 「Pro ToolsとAvid Profileサーフェスは互換性があるので、このプロセスが簡単に行えます。またソング・ミックスをダイヤルインしているので、Profileサーフェスでのミキシングもできました」とブレナン氏は言っています。

このような幅広いツール、プラグインをワンタッチで使用できるため、マイケルはスペースの制限、機械の故障、設定時間などに悩まされず、クリエイティブな活動やアーティストとのコラボレーションに専念できます。

2014年2月28日 (金)

Films at 59、最先端のミキシング・コンソールAvid S6®により イギリスのオーディオ制作を再定義

※本プレスリリースは、米国時間2014年2月24日に発表されたプレスリリースの抄訳です。

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Films at 59、最先端のミキシング・コンソールAvid S6®により
イギリスのオーディオ制作を再定義
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~業界大手のポストプロダクションが、最も過酷な制作環境に対応するため、未来に備えたレコーディング、ミキシング、編集用コントロール・サーフェスをイギリスで初導入~

米国マサチューセッツ州バーリントン、20140224 -卓越したオーディオ・ソリューションを創出し続けてきたAvid® (OTC:AVID)は、本日、業界大手のポストプロダクションFilms at 59 に、全く新しい革新的なコントロール・サーフェスAvid S6®がイギリスで最初に導入されたことを発表します。ブリストルに本社を置くFilms at 59は、様々な独立系プロデューサーや放送局向けに、中継設備サービス、ワークフロー・サポート、ポストサービスを提供します。Avid S6への投資により、同社は、完全統合されたAvidのコンテンツ制作インフラストラクチャに切り替えて、業務効率を高め、テレビ番組プロジェクト間でシームレスかつスピーディーなコラボレーションなど多くを得ることができます。

Films at 59等のポストプロダクションは、制作プロセスにおいて加速するデジタル化、ツールのコモディティ化による競争の激化、高まる業務効率向上への圧力など、様々な課題に直面しています。例えば、より多くのオーディオおよびビデオを連携して同時制作し、より柔軟に制作上の決定を行い、より速くプロジェクトを仕上げる、しかも全てより少ない予算と少ないリソースで、というクライアントの期待に応えなくてはなりません。これらの課題を克服するには、クリエイティビティを支えるプロフェッショナル・ツール、オーディオやビデオのプロを繋ぎ、様々なフォーマットや成果物を容易に管理できるオープンで統合されたワークフローが必要です。

Films at 59の最高経営責任者Gina Fucci氏は話します。「減り続ける予算、短くなる納期、そしてプロジェクトへの資金調達のためにプロデューサーが金策に駆け回らなくてはならない状況を受け、オープンで強固に統合されたソリューションをベースとする敏捷なワークフローが必要でした。革新的かつ直感的なAvid S6をワークフローの中心に持つことで、少ない労力で、より創造的に仕事を進めて、事業を成長させることができます。」

Avid Pro Tools® とS6コンソールを合わせたFilms at 59の新しいオーディオ制作インフラストラクチャ(ソフトウェア、ハードウェア、コントロール・サーフェスを連携し、最適化された唯一の統合環境)は、実績と信頼を重ねたMedia Composer® およびISIS® 共有ストレージによる既存のビデオ・コンテンツ制作ワークフローとも統合しています。

Gina Fucci氏はさらに次のようにも話しています。「堅牢かつ高速のISISメディア共有ストレージはサードパーティ製アプリケーションと高い互換性があり、コストと時間の大幅な削減が可能になります。また、共有ストレージによりオーディオとビデオの共有が可能になったことで、スケジュール変更時でも簡単にミックスを調整できる柔軟性の高さに大きなメリットを感じています。様々なテストを通じて、Avidソリューションが最も信頼できることが分かりました。」

AvidのEMEA AudioディレクターTim Hurrellは次のように話します。「Films at 59は、弊社のISIS 5000共有ストレージ・ソリューションをイギリスで最初に導入したスタジオです。そして再び、モジュール式かつカスタマイズ可能なコントロール・サーフェスS6への投資により、その先頭を切ります。業界のプロが、今日の厳しい制作環境における今そして未来の要求をしっかりと解決し、高品質で魅力的なコンテンツを消費者へ届けるためにサポートしてくれる画期的なソリューションとして頼るのは、実績あるAvidです。」

Films at 59では、2014年後半に、同社ワークフローへAvid S6コンソールをAvid EliteリセラーDigital Garage社経由でさらに追加購入する予定です。全く新しいS6は、オーディオのプロフェッショナルが最高のサウンドミックスを創ることが可能になるだけでなく、プロジェクトを迅速に完成するために必要なパフォーマンスを提供するよう作られています。

BVE 2014においてAvidスタンド(J62)にて、Films at 59のオペレーション担当マネージャーのStuart Dyer氏が、Avidとの提携により、いかに同社が業界革新の先頭に立ち続けているかについて講演しました。

 

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