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2011年7月

2011年7月21日 (木)

小六禮次郎氏 × sibeliuski 対談ブログシリーズ#3

小六禮次郎氏 「ある旋律を聴きながら別の旋律を足していくのではなく、自分の頭の中ですべてを考えられるようにならなければダメ」

Sibeliuski  わたくしsibeliuskiがお送りする対談ブログシリーズ第3回。今回ご登場いただくのは、映画やドラマ、ミュージカル、さらにはオペラなどの音楽を数多く手がける作曲家の小六禮次郎先生です。これまで先生が手がけられた作品は枚挙に暇がありませんが、NHKの大河ドラマ『秀吉』や『功名が辻』のテーマ曲は、何の曲かは知らなくとも耳にしたことがある人はきっと多いはず。今年1月にNHKで放送されて話題を呼んだ舘ひろしさん主演の時代劇、『隠密秘帖』と『隠密八百八町』の音楽も先生の仕事です。そんな先生は、2003年、日本に入ってきた最初のバージョンから使われているというコアなSibeliusユーザー。多忙を極める先生ですが、仕事の合間に時間を取っていただき、いろいろなお話を伺うことができました。それではさっそくお楽しみください!

ファイル・サイズが小さいところに惹かれてSibeliusを使い始めた

sibeliuski 小六先生は、コンピューターを使った譜面作成はいつ頃からやられているのですか?

Koroku_2_lo小六先生 始めたのは、もう15年くらい前のことですね。僕自身、コンピューターを使った譜面作成にはそれほど興味はなかったんですけど、当時、Overtureという譜面作成ソフトを使い始めていた大先輩の先生がいらっしゃって(註:Overtureは、90年代にOpcodeというメーカーが販売していた譜面作成ソフト。現在は販売されていません)、それで「小六ちゃん、これおもしろいよ」と薦められたのがきっかけですね。「これからの時代は、こういうものを使って譜面を書くようになるのかな……」とか思いながら、とりあえず使い始めてみたんですが、いざやってみるともの凄く時間がかかって(笑)。ソフトがまだ全然洗練されていない上に、コンピューターも遅いじゃないですか。2年位我慢して使っていましたが、やはりダメで次のソフトに変えていきました。
 そうそう、いま思い出しましたけど、Overtureの前にPerformerというシーケンス・ソフトを買ったこともあったんですよ。しかしあのシーケンス・ソフトというのには馴染めなかったですね。ああいうソフトって、音符ではなく音を打ち込むという感じじゃないですか。それが僕のような人間には凄く難しくて。表示もグラフみたいな図形ですし。

sibeliuski ピアノ・ロール画面ですね。

小六先生 そうそう。やっぱり僕のような人間は、譜面じゃないとダメなんですよ。だからPerformerもすぐに使うのをやめてしまいました。そこでもしシーケンス・ソフトに馴染めていたら、そのまま使い続けて、今はPro Toolsを使うようになっていたのかもしれない。しかし残念ながら、そっちの方には行けなかった(笑)。
 でも、せっかくMacを買ったので、Performer以外のソフトもいろいろ揃えたりしましたけどね。いちばんおもしろかったのは、名前は忘れてしまったけど、MIDIキーボードを弾くとリアルタイムに譜面が表示されるソフト。ただ、それは目で見て楽しむだけで、譜面の作成には使えなかったんですけど。

sibeliuski Sibeliusと出会われたのは?

小六先生 Overtureの後、別の譜面作成ソフトを手に入れて、しばらくはそれを使っていたんですけど、いろいろと不満があったんですよ。一番の不満は作成されるファイルのサイズが大きいことで、僕は仕事場が北海道にもあるんですが、そこはつい最近までインターネットがISDNしかなかったところで(笑)。だからファイルのサイズが大きいと、送受信にもの凄く時間がかかってしまっていたんですよね。フル・オーケストラのファイルだと、数MBになってしまう感じだから。それと操作が煩雑なところも不満だった。何をやるにしても一手間多く必要で、また動作も重いんですよ。
 そんな感じで不満を抱きつつも使っていたんですが、あるとき東京音大の講師の方が、「Sibeliusっていうソフトがいいですよ」とおしえてくれたんですよ。それで試してみたら動作は軽いし、作成されるファイル・サイズも小さくて、すぐに気に入ってしまったんです。それが確か2003年、バージョン2のときで、それ以降ずっとSibeliusを使っていますね。

sibeliuski 別の譜面作成ソフトからすぐに移行できましたか?

Score_2小六先生 ぜんぜん問題なかったですね。彼はSibeliusについて、「複雑な譜面の作成は得意じゃないですよ」とか言っていたんですけど、僕は現代音楽を書くわけではないので、その辺もまったく問題なかった。ただ、当時のバージョンは機能も少なかったですし、いくつか不具合もありましたけどね。フォルテとかの表示がグチャグチャになっちゃうので、1つ1つ手作業で直さなければいけなかったり(笑)。しかしフォントの表示とかが凄くきれいで、そういった不具合もあまり気にならなかったんです。もちろん、いま使っている最新のバージョン6だと、そんな問題はないですよ。

sibeliuski 先ほど、北海道にも仕事場があるとおっしゃっていましたが、Sibeliusはノート・パソコンで使用されているのですか?

小六先生 いや、自宅と北海道の仕事場両方に、ほとんど同じ仕様のデスクトップのPCを置いています。もちろん、どちらにもSibeliusが入っていて、コンピューターは未だにWindows XPですね。僕はアンチ・ウィルスのソフトとかが大嫌いなので(笑)、仕事用のPCはインターネットにも繋がないで、Sibelius以外は最低限のソフトとWordが入っているくらい。極力シンプルにして使っているんです。そろそろWindows 7に替えた方がいいのかなとも思うんだけど、最近はMacの方がいいんじゃないかとかも思ったり。理想を言えば、画面をデュアルにして、A3の譜面をそのまま表示できるようにしたいんですよね。現状だと、スクロールさせないと譜面がすべて見渡せないでしょう? だから最終的にはプリントして確認するんですけど、オーケストラだと30~40ページあるので紙がもったいない(笑)。

sibeliuski 先生の入力方法は?

小六先生 鍵盤を使ってフレキシタイム入力をしていますよ。最初は3オクターブくらいの小さなMIDIキーボードを使っていたんですが、オクターブを頻繁に切り替えなければならないのが煩わしくて、すぐに88鍵のものに替えました。いま自宅で使っているのは、20年くらい前に買ったヤマハのデジタル・ピアノで、MIDIが付いた最初期のものだと思います。だからけっこう年季が入っていて、反応が良くない鍵盤がいくつもあるから、そろそろ買い替えないと(笑)。北海道の仕事場で使っているのは、ローランドのデジタル・ピアノで、これも普通の家庭用のやつですよ。

sibeliuski デジタル・ピアノの上にコンピューターのディスプレイとキーボードを置いて……。

Koroku_10 小六先生 いや、僕は膝の上にコンピューターのキーボードを置いているんです。このスタイルに辿り着くまで、紆余曲折ありましたけどね。最初はMIDIキーボードの奥にコンピューターのキーボードを置いていたんですが、どうも使いづらくて、その後はMIDIキーボードとコンピューターのキーボードを横に並べてみたんですけど、それもしっくりこない。それでいろいろ試行錯誤した結果、膝の上にコンピューターのキーボードを置くのが一番やりやすかったんですよ。このスタイルに落ち着くまで5年くらいかかったかな。最近はコンピューターのキーボードがワイヤレスなので、膝の上に置いても問題ないんですよ。
 長いオーケストラの仕事だと、書き上げるのに半年くらいかかるんですよね。だから姿勢は大事ですよ。北海道の仕事場にローランドのデジタル・ピアノを入れたとき、ちょうど上の天板が空いていたので、そこにコンピューターのキーボードやディスプレイを置いて作業してみたんですが、1本オーケストラを書き終えたら具合が悪くなってしまった(笑)。もうカラダが固まってしまって、こりゃダメだと。今は膝の上にコンピューターのキーボードを置くスタイルが一番ですね。

本当に作曲したいのなら、頭の中ですべてを考えられるようにならなければダメ

sibeliuski 作曲されるときは、まずSibeliusを立ち上げる感じですか?

小六先生 いまだに紙に書くことも多いですね。最近はどうだろう……紙に書くのとSibeliusを立ち上げるのが半々という感じですかね。やっぱりアイディアが思い浮かんだときは、紙に書いておくのがラクだから。書くと言っても、8小節くらいのメモですけどね。メモの段階からSibeliusを立ち上げればいいんじゃないかとも思うんですけど、やっぱり最初は紙に手がのびるんですよ。Sibeliusも十分手足のようになっているのに、不思議ですよね。劇伴なんかの仕事では、いきなりSibeliusを立ち上げることもあるんですけど。

sibeliuski そして紙に記したメモをSibeliusに清書していくと……。

Koroku_5 小六先生 僕の場合、紙に書いたメモは少し放っておくんですよ。それで3日後くらいに口ずさんでみて、良いメロディーかどうか判断する。やっぱりお酒を飲んでいるときの感覚と、シラフのときの感覚は違いますから(笑)。
 それで良いなと思ったアイディアは、Sibeliusを立ち上げて入力していくわけですが、編成が少ない曲に関しては全部の楽器を一気に書いていっちゃいますね。逆にオーケストラの場合は違って、最初に真ん中の段を使って、ピアノ譜だけを最初から最後まで書いていっちゃう。それでピアノが出来上がってから、オーケストレーションに進むんです。そういったオーケストレーションには、Sibeliusは最高ですよね。コピー&ペーストが使えますし、ある部分だけオクターブを上げたり下げたりするのも簡単ですし。そしてそんなことをやっているうちに、違うアイディアが浮かんでくるんですよ。大抵、元のアイディアどおりに進まない(笑)。だから完成までに推敲が3段階くらいある感じですよね。大規模なオーケストラを書くときほど、そんな感じの作業になる。そうなるとSibeliusは、単なる譜面作成ソフトではないですよね。

sibeliuski 譜面作成ソフトは、作曲しながら音で確認できるところが大きな特長だと思うんですが、その辺りはいかがですか?

小六先生 最初はサンプルで聴けるのはおもしろいなと思いましたよ。今まではピアノで試しに弾いてみることもありましたけど、ほとんどの場合は頭の中だけで鳴っていて、スタジオに行って初めて音として聴けたわけじゃないですか。Sibeliusの音が完成品と同じに聞こえているわけではないのですが、すぐに音として聴くことができる。このことは、作曲のやり方にも影響を与えていますよね。ベーシックな旋律を考えた後、それを聴きながらカウンターのメロディーを考えるということができるようになりましたから。そんなこと、昔では考えられなかったから、けっこうおもしろいと思います。ただ、それをやると作風も変わってきますけど。

sibeliuski 譜面作成ソフトの「音で確認できる」という特長は、初心者の人には間違いなく便利なことだと思うんですが、先生のようなプロの作曲家にとってはどうなんだろうと思って、この質問をしてみました。

小六先生 でもね、基本的には余計な機能だと思います(笑)。だっておもしろくないでしょう? スタジオに行く前に音が聴けちゃったら。
 それに作曲家を目指す学生にとっても良くない機能だと思う。僕は普段、学生に「自分の頭の中ですべてを考えられるようにならなければダメだ」と言っているんですよ。聴きながら足して、また聴きながら足して、という作曲方法はダメだよって。やっぱり若いうちは、頭の中ですべてを考える訓練を積まないと。そんなコンピューターに頼った作曲で、電気が無くなったらどうするの?って。でも最近はそういう子が多いんですよ。
 若いうちはまず和声のイロハから始めて、そこから知識をどんどん積み重ねていく。そうすると次第に頭の中がゴチャゴチャになっていくんですが、それが何らかの拍子で繋がって、ふと新しい旋律が生まれるときがあるんですよ。それが作曲という行為なんです。しかし、聴きながら足して、また聴きながら足して、というやり方は、「これとこれではどっちがいいだろう」という単なる選択にしか過ぎなくて、本当の意味での作曲とは違うんですよね。若いうちからそんなことをやっていたら、頭の中はカラッポになっちゃいますよ。絶対に良くない。

sibeliuski ポップスの世界では、そういった作り方が主流になっていますね。

小六先生 ある部分ポップスはいいんですよ。そういう作り方だからこそ出来る音楽もありますから。ただ、ドラムはこのパターンでいこうとか、ベースはAmだからこのフレーズがいいんじゃないかとか、そんな曲でよければ誰だって作れると思うんですよね。それは単に選択しているだけであって、作曲ではないですよ。コーディネーションとでも呼んだ方がいいかもしれない。
 誤解してほしくないのは、僕はそういった作り方を否定しているわけではないんですよ。そういった作り方でも、それは間違いなく創作行為だと思います。河原に転がっている石ころの中から、自分が気に入ったものを並べて、モザイクを作っているような感じですよね。それはそれで立派な創作行為だと思うんですけど、本当に曲を作りたいのであれば、石ころから作れるようにならないと。作曲を学びに大学に来ているのであれば、なおさらです。

sibeliuski 先生は東京音大で教鞭も執られていますが、授業でもSibeliusを使われているのですか?

小六先生 もちろんです。こういう譜面作成ソフトは、学校の授業には最高ですよね。たとえばオーケストレーションを教えるときは、Sibeliusの画面をそのままプロジェクターに映すんですけど、それが学生たちにとってはかなり刺激的みたいで。弦の8小節くらいの旋律があって、それを目の前でアレンジして見せると、みんな目を丸くして見ていますね。「えっ?」という感じで(笑)。そういう作業を実際に見せてあげることで、数時間で1曲アレンジするプロの仕事が一体どういうものなのか、よく分かると思うんですよ。

コンピューターが和声を判別できるような曲は、響きがおもしろくない

Koroku_3_lo sibeliuski Sibeliusの中で一番気に入っている機能をおしえてください。

小六先生  大体使っているからなぁ……。強いて挙げれば、機能というものでもないですけど、ショート・カットですかね。Sibeliusを操作する上では、なるべくマウスを使わないというのを心がけています。コンピューターのキーボードを使って、ショート・カットで操作する。もうほとんどのショート・カットは、考えた瞬間に手が動きますね。マウスを使うのは楽譜を移動するときくらいですよ。
 あとSibeliusをマスターする上で役立つのはサポート・ニュース! 僕はマニュアルはほとんど読んだことないんですけど、サポート・ニュースには大体目を通してて、あれで「あ、こんな機能があるんだ」って知ることも多いですよ。

sibeliuski ありがとうございます! サポート・ニュースの他に、このブログ内にSibeliusの使い方をご紹介している記事もあるので、そちらもぜひチェックしてください!

小六先生 へぇ、そんなのもあるんだ。こんど見てみますよ。

sibeliuski お話を伺っていると、先生にとってSibeliusは頭の中のイメージを形にするツールであって、それ以上でもそれ以下でもないという感じですね。

小六先生 そうですね。コンピューターも苦手なわけではないですけど、特別好きというわけでもないですし。けど、譜面作成ソフトはツールに徹すればいいんじゃないですかね。アレンジなんて機能は必要ないですよ(笑)。

sibeliuski ユーザーさんの中にはああいう機能を必要とする人もいるんです……。中には「旋律を作ったら、それに自動でコードを付ける機能がほしい」という人もいるくらいです(笑)。

小六先生 わははは(笑)。自動でコードが付いたら何にもならないじゃない。

sibeliuski だからそういう人には、「Sibeliusはどんどん便利になっていますけど、人間がやるべき部分はちゃんと残してあるんです」と言っているんです。

小六先生 素晴らしい。そのとおり。何でもかんでもコンピューターが手助けするようになったらダメですよ。それにたとえそんな機能が付いたとしても、僕らプロの作曲家が書くコードは絶対に判別できないと思うんです。たとえばAmの曲があったとして、ベースのフレーズはAmと判別できるかもしれないですけど、上の和声はAmと判らないように作っているわけですから。コンピューターがAmと判別できるAmの曲なんて、きっと響きがおもしろくないですよ。

sibeliuski 過去にPerformerを試して以降、シーケンス・ソフトやDAWはまったく触られていないのですか?

小六先生 Pro Toolsに関しては、自分で触ろうかなと思ったこともあるんですけど、さすがにもういいかなって(笑)。凄い人がいっぱいいるでしょう。

sibeliuski SibeliusとPro Toolsは、データの連携もできるんです!

小六先生 そうなんですよね。そういう機能を知ると鼻が膨らむんですけど、たぶん肩凝りが増えるだけのような気がする(笑)。キリが無さそうですからね。
 でもスタジオでPro Toolsを見ると、本当に凄いソフトだなと思いますよね。音をいかようにも編集できるわけでしょう? 編集に関してはあれ以上のものにはならないと思いますので、今後Pro Toolsがどういう方向に進化するのか興味がありますね。

sibeliuski Sibeliusに望むことというと……。

小六先生 何だろうなぁ……。そうだ、自分の手グセのコードを登録できると便利ですかね。作曲をする人やピアノを弾く人って、みんな自分の手のフォームがあるんですよ。そのフォームを覚えてくれるような機能。最近はあんまりコード・ネームを書くような仕事はしないんですけど、ジャジーな曲とかだと、そういう機能があると便利かもしれない。
 あとは……(先生、鞄の中からゴソゴソとiPadを取り出す)コレでSibeliusが動いてくれると最高なんですけどね。

Koroku_9_lo sibeliuski iPad! つい最近、Sibeliusのファイルを閲覧できるAvid Scorch(Scorch for iPad)というアプリケーションがリリースされたんですよ。

小六先生 あ、そうなんだ。それは知らなかった。しかし欲を言えば、閲覧だけでなく入力にも対応した、本当の意味でのSibeliusアプリケーションが出るといいですね。iPadって意外と優れていて、音楽系のアプリケーションは和音にも対応しているから、ハーモニーを確認することができるんですよ。コンピューターのキーボードで演奏すると、単音なのでハーモニーが取れないじゃないですか。だからiPadって意外と便利なんですよね。

sibeliuski 最後に、先生が思うSibeliusの良い点を挙げていただけますか。

小六先生 フォントがきれいで、譜面全体が美しくまとまること。これが一番ですね。あとは使い勝手もカンタン。それとこれは僕がSibeliusを使い始めた最大の理由なんですけど、ファイル・サイズが小さくて済む。この3つでしょうかね。

sibeliuski 本日はお忙しいなか、ありがとうございました!

小六禮次郎 ~プロフィール~
作・編曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。
映画音楽・TV・CD・CM・舞台・イベントと幅広く多方面にわたって活躍中。
主な作品に映画「ゴジラ」、大河ドラマ「功名が辻」「秀吉」、連続テレビ小説「さくら」、
PS2「決戦」シリーズ、世界劇「黄金の刻」、倍賞 千恵子「冬の旅」、
小林 幸子「母ちゃんのひとり言」等多数。
現在東京音楽大学映画放送音楽コース客員教授。

2011年7月20日 (水)

Pro Tools|HD NativeブログNo.6 「HD Nativeシステムが持つ最大の魅力“低レーテンシー・モニタリング”について その2」

こんにちはシンガーソングライターの辻 敦尊(つじ あつたか)です。
前回に引き続き今回もお届けするのはHD Nativeシステムが持つ最大の魅力“低レーテンシー・モニタリング性能”についてです。

正直、僕自身も実際に使ってみるまではその実力の凄さを疑っていました(笑)。
しかし自分のスタジオに導入してみた今では、声を大にして皆さんにおススメしたいです!!
さらに、その実力はProTools以外のDAWに対しても同様なんですよ☆
試しに今回はHD OMNIのフロントパネルに搭載されているDI インプットを使用しながらLogicPro9でギターのサウンドメイクと演奏をおこなってみたいと思います。きっと今回も“低レーテンシー・モニタリング”の魅力をたっぷりと実感してもらえることでしょう。

それでは映像の方をご覧下さい。


YouTube: Pro Tools|HD Native 低レーテンシー・モニタリング その2

いかがでしたか?今回は普段LogicProを使っている仲間に参加してもらっての紹介でした。撮影後にレーテンシーが低く聞こえる様、音声の編集をしたりはしていませんのでご安心ください(^^) 。
ちなみに撮影後うちのギタリストのGeeは真剣にHD Nativeシステムを購入するかを悩んでいる様でした。資金計画まで立てていましたから(笑)


さぁ、では今回はこの辺りまでとしておきましょう。
次回は“低レーテンシー・モニタリング性能”についての最終回!アウト・ボードなどを経由させた場合にもレーテンシーが気にならない様子をお伝えしたいと思います。
次回もどうぞご覧ください。



参考情報:
Pro Tools HD Native、低レーテンシーモニタリングの技術解説

Pro Tools HD Native、低レーテンシー・モード解説





Atsutakatsujiprofilephoto
辻 敦尊(つじ あつたか) ~プロフィール~
シンガーソングライターとしての活動を中心としながら、作詞家、作曲家、アレンジャー、
プロデューサー、映像や舞台の音楽監督、サウンド・デザイナー、ボイストレーナー、ラ
イターなどとしても活躍中!シンセサイザーやコンピューターを用いた音楽制作では定評
が高い。
日本シンセサイザープログラマー協会(JSPA) 理事

Rock oN Pro様主催による Pro Tools HD Native 無料セミナーのご紹介

Rock oN Pro様主催による Pro Tools HD Native 無料セミナーのご紹介です。

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Pro Tools HD Native Tour セミナー
~すべてのDAWユーザーへ!Native環境の新たなる発展!~

8月5日(金)15:00〜 
ROCK ON PRO リファレンススタジオ

東京都渋谷区神南1-8-18 クオリア神南フラッツ1F
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当日は、ゲストアーティストの辻 敦尊氏をお迎えし、彼も実際に自宅で愛用しているPro Tools HD Nativeシステムを使ってご紹介!
制作の前段階の、受注から~制作~プリプロ~仕上げにいたるまでのワークフローのご紹介!!
実演は、辻さんのオリジナル曲を使い、ボーカルとエレアコの録音作業の流れを。その流れの中で、 Pro Tools HD Nativeの真のパワーを体感/聴感いただくとともに、多くの方が気になっているポイントを、わかりやすく解説します。

【開催概要】

 ■開催日: 2011/8/5(金)15時~ 
 ■場 所: ROCK ON PRO リファレンススタジオ
 ■参加費: 無料(事前御予約が必要です)
 ■詳 細: Rock On Pro様のウェブページをご覧ください。
 ■お申込とお問合せ:コチラのウェブページからお願いいたします。


HD Native詳細は、弊社Webサイトよりご覧いただけます。コチラ

また、今回のデモンストレーター辻さんによる、HD Native ブログも好評連載中です!! 

Pro Tools|HD Nativeブログスタート!!
Pro Tools|HD Nativeブログ No.2 「Pro Tools|HD Native+HD OMNI セットアップ後編!!」
Pro Tools|HD Nativeブログ No.3 「HD OMNIのファームウェア・アップデート作業」
Pro Tools|HD Nativeブログ No.4 「HD Native + HD OMNIで構築するモニタリング環境のご紹介」
Pro Tools|HD NativeブログNo.5 「HD Nativeシステムが持つ最大の魅力“低レーテンシー・モニタリング”について その1」

最新ブログ!

Pro Tools|HD NativeブログNo.6 「HD Nativeシステムが持つ最大の魅力“低レーテンシー・モニタリング”について その2」

 


Pro Tools HD Native、低レーテンシーモニタリングの技術解説

皆様のご参加をスタッフ一同、心よりお待ち申し上げます!

2011年7月15日 (金)

Pro Tools 9 とMIDIコントローラーを活用した制作ノウハウセミナー開催決定のお知らせ

 「早速作曲 with Avid~もっとも進化した制作環境を体感!Pro Tools 9M-AUDIO KEYBOARDのコンビネーションが生み出す即戦力制作スタイルを伝授!~」

開催日:2011722日(金)17時〜

場所:Rock oN Company様

ご予約&お問い合わせは以下のページにておねがいいたします。

http://www.miroc.co.jp/magazine/seminar_withavid

 今回のイベントは、新進気鋭の日本在住外国人アーティスト/プロデューサー。レコーディングアーティスト、ソングライター、キーボーディスト、プロデューザーとして活躍するだけでなく、映画やテレビMCとして人気番組への出演、さらに、写真家や映像ディレクターとしても活動している、JJ氏と、シンガーソングライターとしての活動を中心としながら、作詞家、作曲家、アレンジャー、プロデューサー、映像や舞台の音楽監督、サウンド・デザイナー、ボイストレーナー、ライターなどとしても活躍中、日本シンセサイザープログラマー協会(JSPA) 理事 でもある、辻氏もゲストに迎え、Pro Tools 9M-AUDIO KEYBOARDのコンビネーションが生み出す即戦力制作スタイルをご提案いたします!

Jj7_bio_pic Tsuji_san_2


YouTube: JJTV - Episode 1 - Home Recording Studio

 


本セミナーで紹介される製品

Oxygen

Oxygen49top

Oxygen(オキシジェン) USB MIDIコントローラーは、モバイル・ミュージック・プロダクション・テクノロジーのリーディング・カンパニーであるM-Audioから次世代型機能を提供します。Oxygenには割当て可能なノブ8系統、割当て可能なスタイラー9系統、専用トランスポート/トラック・セレクト・ボタンが装備されています。 DirectLinkモードではこれらのコントローラーをトランスポート、ミキサー、トラック・パン、プラグイン・パラメーターを含むDAW共通の機能に 自動マッピングすることができます。収録されているファクトリー・プリセットは、ポピュラーなバーチャル・インストゥルメントをサポートし、複雑な設定を しなくても即座に使用することができます。ベロシティー・センシティブの鍵盤と洗練されたコンパクトなデザインにより、音楽制作と演奏のどちらにも完璧な モバイル・キーボードに仕上がりました。この価格帯のMIDIコントローラーで、簡単な操作性を維持しながらこれほど多くの機能性を装備するものは他にありません。

現在DirectLinkモードに対応しているDAWソフトウェアのリストはwww.m-audio.jp/directlinkを参照して下さい。

 

Axiom

Axiom49mkiifntsl

M Audio Axiom(アクシオム)コントローラーは、音楽ソフトウェアとMIDIギアから、音楽制作のパワーとライブパフォーマンスを最大限に高める必要なすべてを組み合わせます。単なる「データ入力」としてのコントローラーを超えるAxiomは、満足のいく自然な演奏感を実現したピアノスタイルのセミウェイテッドの鍵盤を装備。また、バックパックに収納できるほどコンパクトです。大型ダイ ナミック・トリガー・パッドを使えばビートのプログラミングやワンショット・サンプルのトリガーを簡単に行え、同時に、エンコーダー・ノブ、フェーダーおよびボタンで、お使いのソフトウェアをリアルタイムにコントロールできます。DirectLinkモードにより、トランスポート、ミキサー、トラック・パン、ビジュアル・インストゥルメント・パラメーターなどを含むDAW共通の機能*に簡単な自動アクセスができ、複雑な設定は不要です。Axiomコントローラーに装備されたトップパネルのほどよい傾斜により、あらゆる作業環境で簡単に表示を判別可能です。

*
現在 DirecrLinkモードに対応しているDAWのリストと各 DAWにより活用できるDirektLink機能の説明については、www.m-audio.jp/directlinkを参照してください。

 

 

Axiom Pro

Axiompro49top

M-AudioAxiom Pro(アクシオムプロ)には、Axiomの全ての機能に加えて高品位なTruToucアクション鍵盤と独自のHyperControl MIDIマッピング・テクノロジーが搭載されています。HyperControl機能により、Axiom Proに装備されている65系統のコントローラーをPro ToolsCubaseLogic ProReason、ソフトウエア・インストゥルメントへアクセス可能なパラメータに自動的にマッピングします。DAWと常に双方向のリンクを維持し、Axiom Pro 49のコントローラーは常にDAWのパラメータや起動していないプラグインにさえシンクし、ソフトウエアのパラメータ・ジャンプを防ぐことができます。2つのコントロール・モード(ミキサーとインストゥルメント)は、素早く切り替えが可能。また、Axiom Proのボタンにマッピングして直接QWERTYキー・コマンドを送信することができます。プリセットは50ものメモリ・ロケーションに保存ができ、それぞれに含まれ素早く呼び出すことのできる4つのプロファイルは直感的なグラフィックLCDに表示されます。これらにより、Axiom Proからセッションを全てコントロールすることができます。

 

ビデオをチェック!

Part1http://www.m-audio.jp/index.php?do=media.video&ID=cd29e94ead2e4db9faf5f3d34f1682ed

Part2http://www.m-audio.jp/index.php?do=media.video&ID=cf7898fd1f10fb83a0e1d3e48ce4be49

 

 

Venom

Venomfront

M-Audio Venom (ヴェノム)49鍵シンセサイザーは、クラッシックなアナログ・シンセサイザーとモダンなデジタル・プロセッシングを融合させ、ユニークでアグレッシブ、 そして刺激的なサウンドを実現します。 まずプリセットにて興味をかきたてたら、次はカスタマイズして、心がやすらぐようなサウンドから、周囲に鳴り響く激しいサウンドまで、幅広いオリジナル・ サウンドを作成してみましょう。 直観的なトップパネルのインターフェースにより、パラメーターを簡単に微調整できるばかりでなく、付属のソフトウェア・エディターにより、サウンドのデザ インや構成の可能性は無限大。 また、本格派のプレイヤーも満足させるフルサイズのキーボードで、ベースラインやリードなど、あらゆるパートが演奏可能です。 さらに、Pro Tools*をはじめとする音楽ソフトウェアのオーディオ・インターフェースとしてVenomを使用すれば、音楽を新たな方向へと大胆に導くパワフルなプロダクション・マシンが完成します。

 

ビデオをチェック!

http://www.m-audio.jp/index.php?do=media.maudiotv&PID=b5802db3183b67097540183d9bc6d88e

  • Venomイントロダクション
  • Live in Paris (IRCAM

 

 

Pro Tools 9攻略本リリースのお知らせ

716日、サウンドデザイナー社から、「Pro Tools 9攻略BOOK」がリリースされます。

数ある攻略本の中でも、非常に人気の高い1冊で、以前リリースされていたバージョン8版には、プレミアがついたほど。

 Book

本書では、バージョン9ならではの新機能はもちろん、入門者がつまずきやすいソフトのインストール方法やオーディオ インターフェイスのセットアップ手順をはじめ、ギターやボーカルのレコーディング、オーディオの波形編集、ミックスの具体的なやり方など、Pro Tools 9100%楽しむためのノウハウが満載です。特に70ページを超える「Pro Tools9の主なウィンドウとツールの使い方」は必見! これだけでもPro Tools 9の操作の大半は理解できる充実の内容となっています。また、巻末にはPro Tools 9付属のプラグインとインストゥルメントをすべて公開! バックトラック作りやミックスに役立つ実践テクニックも数多く掲載しています。

 

詳しくは、下記URLにて

【MusicMaster】

http://musicmaster.jp/products/archives/2011/07/07-124622.php

【Amazon】

http://www.amazon.co.jp/gp/product/490454708X/ref=s9_simh_gw_p14_d0_i1?pf_rd_m=AN1VRQENFRJN5&pf_rd_s=center-1&pf_rd_r=1FMGDM4EN5H7HP47KV0E&pf_rd_t=101&pf_rd_p=463376736&pf_rd_i=489986

 

2011年7月 5日 (火)

Pro Tools|HD NativeブログNo.5 「HD Nativeシステムが持つ最大の魅力“低レーテンシー・モニタリング”について その1」

こんにちはシンガーソングライターの辻 敦尊(つじ あつたか)です。
今回から三回に分けてお届けするのはHD Nativeシステムが持つ最大の魅力“低レーテンシー・モニタリング性能”についてです。

カタログなどを読んでいただくとスペックの高さなどは理解してもらえると思うのですが、どうしても感覚的な部分で理解しにくいところがあると思います。ですので今回はその部分を映像と音を使いながら解りやすく出来るだけ具体的にご紹介していければと考えています。

まず紹介方法をざっとご説明しておきますね
マイクをHD OMNI内蔵のマイク・プリへ接続し、そこから入力された音声信号をPro Tools経由でどれだけ遅れを感じずにリアルタイムでモニタリングできるかを試していきたいと思います。
さらにはPro Tools上でエフェクト処理を行いその音についてもどれだけ遅れを感じることなくモニタリングできるかという事を試していきたいと思います。

それでは映像の方をご覧下さい。


YouTube: Pro Tools|HD Native 最大の魅力 低レーテンシー・モニタリングについて その1

いかがですか?HD Nativeシステムの持つ実力を実感してもらえましたか?
これ本当に凄いんですよ!!
今までTDMシステムを使わないと実現できなかったレベルの事が半額以下の値段で実現できてしまうんですから!
もちろん、約35万円のカードとオーディオ・インターフェースを揃えるという事は決して簡単に考えられる事ではないと思います。実際、僕も導入するかを数ヶ月悩みました。。。しかしHD Nativeシステムが持つ実力と、それによって実現できる事を考えていくと絶対この価格は高くないと思います。
Pro Tools HDソフトウェアも含まれていますしね (^0^)

それでは今回はこの辺りまでとして、次回もこの“低レーテンシー・モニタリング性能”についてご紹介を続けていきましょう。
次回もどうぞご覧ください。

参考情報:
Pro Tools HD Native、低レーテンシーモニタリングの技術解説

Pro Tools HD Native、低レーテンシー・モード解説







Atsutakatsujiprofilephoto_4
辻 敦尊(つじ あつたか) ~プロフィール~
シンガーソングライターとしての活動を中心としながら、作詞家、作曲家、アレンジャー、
プロデューサー、映像や舞台の音楽監督、サウンド・デザイナー、ボイストレーナー、ラ
イターなどとしても活躍中!シンセサイザーやコンピューターを用いた音楽制作では定評
が高い。
日本シンセサイザープログラマー協会(JSPA) 理事

2011年7月 4日 (月)

伊東たけし氏 × sibeliuski 対談ブログシリーズ#2

伊東たけし氏 「音符が五線の上を流れる映像から、新しいアイディアが浮かぶこともある」

Sibeliuski  お待たせしました。わたくしsibeliuskiが、Sibeliusの使い手たちにお話を訊くユーザー・インタビュー、第2回目です。今回ご登場いただくのは、日本を代表するサックス・プレーヤー、伊東たけしさん。あえて説明するまでもありませんね。あのT-SQUAREのメンバーであり、日本におけるウインド・シンセサイザーの第一人者でもあります。そんな伊東さんは、日本に入ってきた最初のバージョンから使っているというヘヴィなSibeliusユーザー。その出会いから使いこなし、DAWソフトとの使い分けまで、いろいろなお話を訊いてきました。それではお楽しみください!

Ito_6_2コンピューターを使った楽譜作成は20年以上やっていて 、8年前に偶然Sibeliusに出会った

sibeliuski 伊東さんとSibeliusとの出会いは?

伊東さん 8年くらい前、今はなき渋谷のヤマハで、日本に入ってきた最初のバージョンをたまたま見つけたんだよね。まだ日本語化されていなくて、英語版だったんだけど、これは何か良さそうだなと。たぶん、日本で最初に使い始めたユーザーの一人じゃないかな。

sibeliuski それまでは他の譜面作成ソフトを使われていたのですか?

伊東さん うん。でも歴史のあるソフトなので、バージョンが上がるごとに機能が追加されていった結果、どんどん使いづらくなってしまって。昔に比べて動作が重くなって、操作も複雑になっちゃったんだよね。そのことは開発側も承知していたようで、途中で一回シンプルにしたりするんだけど、それでもちょっと苦しい感じで(笑)。  そんなときに出会ったのがSibeliusで、さっそく試してみたら、とにかく動作が軽いのに驚いた。あとは操作性。とても自然な使い心地というか、まるでペンを持って五線紙に向かうような感覚で譜面を起こすことができたんだよね。もちろん、初期のバージョンは機能的に物足りない部分もあったんだけど、それを補って余りあるほど操作性が良かったので、それ以降ずっとSibeliusを使ってるよ。

sibeliuski 英語版は使いにくくはなかったですか?

伊東さん ぜんぜん(笑)。僕は歌詞は入れないし、それに当時は海外のプレイヤーと仕事をすることも多かったから、英語版の方が都合が良かった。こういうソフトって、英語でメニューやコマンドを覚えた方が、海外のミュージシャンと言葉を共有できるからいいんだよね。最近、音楽制作系のソフトはほとんど日本語化されたみたいだけど、海外のプレイヤーやアーティストとやり取りすることを考えると、英語版のままにしておいた方がいいんじゃないかと思うけど(笑)。

sibeliuski そんな伊東さんのような方のために、Sibeliusはバージョン6.2でマルチ・ランゲージ対応になったんですよ! 環境設定で好みの言語を自由に選ぶことができるんです。

伊東さん お、それは知らなかった。今はOSがマルチ・ランゲージ仕様なんだから、そうじゃないとダメだよね。

sibeliuski Sibelius以前は他の譜面作成ソフトを使われていたとのことですが、コンピューターを使った楽譜の作成はかなり以前から行われていたのですか?

伊東さん 僕はかなり古いよ。MacのSE/30って機種知ってる?

sibeliuski すみません、知りません……(汗)。

伊東さん SE/30は、80年代に発売されたMacの名機だよ。僕はMacが大好きだったから、SE/30という凄い機種が出るという話を聞いて、すぐに注文したわけ。そのとき僕はたまたまアメリカにいたんだけど、SE/30を届けてくれたディーラーが譜面作成ソフトのことをおしえてくれたんだよね。「お客さん知ってます? コンピューターで楽譜を作れる凄いソフトが出たんですよ」って。新しモノ好きの僕としては、そんな夢のような話を聞いて飛びつかない訳はないでしょ(笑)。だからコンピューターを使った楽譜の作成は、もう20年以上やっていることになるよね。

sibeliuski 当時の譜面作成ソフトは、どのようなものだったんですか?

Ito_5_lo伊東さん メチャクチャ頭の良い大学生が開発したモノで、画期的ではあったんだけど、もの凄く使いづらかった(笑)。まぁ、最初だから仕方ないけどね。一番頭を悩ませたのはプリンターのドライバーかな。印刷できなきゃしょうがないということで、高価でデカいプリンターも一緒に買ったんだけど、ドライバーが悪さをして、なかなか上手く動かなくて。画面上ではきれいに表示されているんだけど、印刷すると変な位置になっちゃったりとか。当時はPDFなんてファイル・フォーマットも無いからね。でも最初に印刷したときは嬉しかったなぁ。アメリカから戻ってすぐに苗場でユーミンのコンサートがあったんだけど、買ったばかりのSE/30とプリンターをホテルの部屋に持ち込んで、ゲレンデを見ながら一生懸命打ち込んだ記憶があるよ(笑)。

sibeliuski 凄い! 伊東さんはコンピューターがお好きなんですね。

伊東さん もう大好き。Macは最初の機種から使っているしね。途中、カッコ悪くなったときは離れたけど(笑)、最新機種が出る度に買ってる。その中でもSE/30というのは思い入れのある機種だったなぁ。譜面作成ソフトを初めて使ったMacということも含めて。でも当時、シーケンサーに関してはMacを使わず、専用機を使ってたね。

音符だと見えてくるものがある
その映像からまた別のアイディアが浮かんだりとかSibeliusに出会った

sibeliuski 伊東さんは、楽譜というものには十代の頃から慣れ親しんでいたんですか?

伊東さん 学生時代、ビックバンドをやっていたんだけど、新入生のときって楽譜を大量に書かされるんだよ。合宿とかで徹夜しながら、意味も分からずひたすら楽譜を書かされる(笑)。そうすると眠くて、4/4拍子の曲なのに音符が半拍足りなかったりとか(笑)、凄いミスをするんだけど、そんな毎日でかなり楽譜とは親しくなったね。

sibeliuski 伊東さんの作曲の方法についておしえてください。

伊東さん みんな同じだと思うけど、良いメロディーやベースのラインが頭に浮かんだら、それを五線譜に書くのが基本だよね。手元に五線譜が無かったら、紙に5本線を書いて(笑)。あ、最近だとiPhoneのボイスメモに吹き込んでおくというパターンも多い。口で吹き込んでおくと、メロディーだけでなくドラム・パターンなんかも残しておけるから。「ドッドッ、タン、ドッドッ、ターン」って(笑)。そんないいかげんな感じで吹き込んでおいても、後で聴くとそのときのイメージがちゃんと蘇るんだよね。iPhoneがイイのは、スピーカーを内蔵しているところ。そういうメモがわりに使うレコーダーは、すぐに聴けるものじゃないとダメだよ。
 そんな感じで、どんな些細なアイディアでもとりあえず記録しておいて、僕の場合はそれを一服しているときなんかにまとめて聴くんだ。それで「これはイケる」と感じたものを、もっと膨らませていくという感じかな。

sibeliuski その後はSibeliusを立ち上げて?

伊東さん そうだね。最近だとT-SQUAREのアルバム用に4曲書いたんだけど、そのときはシンプルなドラム・パターンを鳴らしながら、最初にピアノの和音を入れて、ベース・ラインを入れて。そしてドラムを入れ直して、最後にラインをサックスで入れて……という感じ。全部Sibeliusだけでやったので、音的には殺風景な感じなんだけど、楽曲のイメージとかメロディーがどんな感じかとかはじゅうぶん分かる。そのアルバムの曲作りは、Sibeliusにかなり助けられたね。

sibeliuski そうやって作られた譜面は、プリント・アウトしてメンバーに渡されるんですか?

伊東さん その辺はやり方がいろいろあって、1曲は音で聴かせたかな……。DAWソフトに移して、ちゃんと打ち込み直したものもあるね。

sibeliuski DAWソフトに向かって作曲することもあるんですか?

Ito_3_lo伊東さん 僕は音符が見えないとダメなんだよね。DAWソフトだと音符が見えないでしょ? それに僕の場合は、音符から見えてくるものがあったりするんだ。譜面の上を音符が流れていく、その映像からまた別のアイディアが浮かんだりとか。もちろん、過去にはシーケンサーに向かって作曲したこともあるんだよ。でも、余計なことに気を取られちゃうんだよね。ピアノのフレーズのタイミングとか(笑)。僕はキーボーディストじゃないのでイメージどおりに弾けないから、入力した後でこの音符を後ろにずらして……とかやり始めちゃうわけですよ。そんなことをやり始めちゃうと、当初のイメージが薄れてしまう。そういう余計なことに気を取られずに作曲するには、iPhoneのボイスメモを使って、口で吹き込んでしまうのが一番だね(笑)。

sibeliuski しかし自分でちゃんと打ち込みたいときはDAWソフトを立ち上げると……。

伊東さん そうだね。DAWソフトは、Pro ToolsとLogicを使ってる。Logicは昔から使っていて、あの濁ったような味わいのある音が大好きだったりするんだけど、最近はPro ToolsのMIDI機能が充実したのでそっちでやることも多いよ。Pro Toolsはとてもクリアな音で、Logicとはまったく違う。Logicは、昔のENSONIQ系というかアナログ・チックなサウンドで、ハイファイとは真逆な音だから(笑)。自宅のコンピューターはiMacで、オーディオ・インターフェースはApogeeのEnsemble。昔はPower Mac G5とかも使っていたんだけど、今はiMacでもパワー的には十分だね。

Ito_2_lo_2Sibeliusは凄く魅力的なソフト
使っているうちに愛着が湧いてくる

sibeliuski Sibeliusの入力方法についておしえてください。

伊東さん ちゃんとMIDIキーボードがある場所ではなく、こういうところ(註:このインタビューは、東京・目黒のMARUNI STUDIOのロビーで行われました)で作業することが多いから、アルファベット入力を使うことが多いね。〆切に追われているときは、新幹線の中で作業することもあるし……。もう(コンピューターの)キーボードで手を置く場所が決まっているので、目を瞑っても入力することができるよ。左手で音符を選んで……。

sibeliuski 凄い慣れてますね!

伊東さん そうだね。最後は時間との戦いになることが多いから、どういう風に打ち込むのが一番速くできるか研究したよ(笑)。MIDIキーボードがある場合は、鍵盤で音程を入力して、左手で長さを打ち込む。MIDIキーボードがある環境では絶対に使った方が速いよね。間違いも少ないし。
 それとSibeliusは、バージョン6になって内蔵音源のサウンドが良くなったよね。前のバージョンまでは、たくさんの楽器を同時に鳴らすと音がダンゴになってしまう感じがあったんだけど、バージョン6の音源は凄く分離がいい感じがする。デモを作るくらいならこれで十分というか。バンドのメンバーに聴かせて、「このくらいちゃんとした音で演奏してよ」と言いたくなるよ(笑)。

sibeliuski バージョン6から、Sibelius Playerという、より高品位なサンプル・プレーヤーになったんです。

伊東さん だから音が良くなったんだ。でもひとつ要望があって、ドラム・パターンがあるでしょ。あれを簡単に試聴できるようにしてほしい。DAWソフトだと、ドラム・パターンを次々に試聴できるでしょ。ああいう感じで……。

Idea_3sibeliuski その機能は既にあります! アイデアハブにはオーディション機能があって、アイデアのパターンを押すことで8回までリピートされるんです。

伊東さん え、そんな機能があるの?(笑) うわ、凄い便利。これは知らなかった。

sibeliuski Sibeliusで特に気に入っている機能というと……。

伊東さん マグネティックレイアウトは凄く便利だよね。前は自分で細かくやっていたんだけど、マグネティックレイアウトをオンにしておけば、かなりアバウトに配置しても問題ない。小節の上の段と下の段を少し離しておけば、オブジェクトの衝突を相当賢く直してくれるから。本当、この機能が備わってからかなりラクになった。

sibeliuski 何かSibeliusへのリクエストはありますか?

伊東さん もっとドラムやベースのパターンがたくさん入ってくれると嬉しいかな。今はそういうのを自分で細かく打ち込む時代じゃないし、最近はドラムのソフト音源でも良いのがたくさん出ているじゃない? ああいうのが中に入ってくれるといいよね。最近はPro Toolsも付属のソフト音源とかが充実しているから、その辺りの進化は期待したいね。

sibeliuski そのリクエストは本国に伝えておきます!

伊東さん Sibeliusってイギリスのソフトなんだっけ?

sibeliuski はい、そうです。

Ito_1_lo 伊東さん 家を設計するためのCADソフトもイギリス製が主流みたいなんだけど、あの国で作られたモノって何かアメリカ製とは違う味があるよね。僕は自転車が大好きなんだけど、イギリスやヨーロッパの自転車って、アメリカやカナダ製とはかなり様子が違う。イギリスって伝統のある国だからか、そこで生まれたモノも素朴に進化している感じがするんだよね。アメリカのモノは一気にドンと進化するので、それはそれで魅力的だったりもするんだけど、イギリスのモノは過去を大切にしつつ現代的な要素を取り入れながら着実に進化している感じ。歴史が感じられるんだよね。そういうところがモノとして凄く魅力的なんだよ。Sibeliusにも、他のイギリス製品と同じような感じがあって、使っているうちに愛着が湧いてくる。こんな風に愛着が湧くソフトというのも珍しいよ(笑)。

sibeliuski 最高の褒め言葉、ありがとうございます! 本日はお忙しいなか、ありがとうございました!

伊東たけし ~プロフィール~
1954年3月15日生まれ。福岡県出身。
大学在学中よりソロ・サックス・プレイヤーとして活動する傍ら、学生ビッグバンドに加入し、コンサート・マスターを務める。数々のコンテストに参加し、多くの賞を獲得。
1977年にTHE SQUARE(現T-SQUARE)に加入、1978年にプロデビューを飾る。以来、バンドのフロントマンとして活躍。

2011年7月 1日 (金)

Pro Tools 9無償チュートリアルビデオのご紹介

Pro Tools 9ソフトウェアの基本的な使い方を解説したフリービデオが、ウェブから視聴可能です!

特に初心者にはぴったりの内容で、作曲、編集、ミックス、それぞれに必要な基本の動作、使い方はこのビデオをみてマスターすることが可能です! 価格はゼロ円!なんと無料です!!

フリービデオながらトータル60分を超えるボリュームですので、最後までご覧いただければMIDIやオーディオの録音から編集、ミックス、 バウンス(書き出し)まで、一連の使い方を理解することができます。

市販されているチュートリアルビデオと同等のボリュームとクオリティーですので、この無料ビデオだけでも十分使い方を勉強することが可能です。

是非、積極的に利用して、快適なDAWライフを送ってください!

 

Kuretani

Pro Tools 9 ベーシック編 

Index

  なお、先日、ご紹介したSoundWorkshop社の「Pro Tools 9/ベーシック篇」DVD (税込1,380円) は、上記無償ビデオをDVDにまとめたものとなります。

DVDでチェックしたい場合は、こちらをゲットしてください! なお、こちらのDVDをご購入いただくと、追加で下記のボーナスビデオがチェックできるそうです!

 

覚えておきたい必須ショートカット(18:00)

必見!EQのテクニック(22:00)



Pro Toolsで快適に作業を行うために、是非知っておきたい基本のショートカットのレクチャーと、気になるEQテクニックのビデオです。

 

 

さらに、、、、

いまからコンピューターを使った作曲作業を始めるけど、使い方以前に、専門用語がわからなくて、ちょっと心配、、、、という初心者の方には、下記のような基礎知識を解説するビデオも用意されています。

DAWDTMの基礎知識 (15:01) 

こちらも、価格は無料です。 これで安心して作曲作業を始められますね! 

 

上記ビデオに対するご質問、詳細情報は、SoundWorkshop様に直接お問い合わせください。

http://soundworkshop.jp/info

 

【Avidサポートニュース】 Avidオーディオ・フォーラム (DUC) 日本語版ついに始動

この度、Avidオーディオでは、お客様に対するリソース拡大の一環としまして、日本語でご利用頂けるAvidオーディオ製品専門のユーザー・フォーラムを開始する運びとなりました。

Avidオーディオ・フォーラム (従来の呼び名であるDigidesign User Conferenceの頭文字のDUC、ダックとも呼ばれています。duc.avid.com ) は、長年にわたり世界中のAvidオーディオユーザーに親しまれてきましたが、英語のみのサービスとなっているため、日本のユーザーにとっては必ずしも現実的に実用性の高いリソースとしては機能しておりませんでした。この度、日本国内のユーザーにとって大きな可能性を秘めたフォーラムの日本語化を、既存の英語ページに日本語セクションを付加する形で実現いたしました。

Avidオーディオユーザーの皆様のより良い作業環境の実現に向け、これまでのリソースと併せ、日本語フォーラムをご活用頂けましたら幸いです。

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