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2013年5月 7日 (火)

プラットフォームの進化:エンジニアから見たAAX

本ブログポストは、Avid Blogsに掲載されたデイビッド・トレンブレイ氏による"The Evolution of a Platform: And Engineering Look into AAX"の翻訳です。

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プラットフォームの進化:エンジニアから見たAAX

Avidは顧客の戦略的な問題を解決するための新しい技術を開発し続けていますが、これはユーザーの現在および将来のニーズに応えるためにプラグインのプラットフォームも進化させなければならないことを意味します。Avidのプラグインのプラットフォームの進化はPro Tools 11のHDXと64ビット抜きでは語れません。ここから話を始めましょう。

ネイティブ・プロセッサの計算能力が飛躍的に向上しているなかで、なぜ私たちがHDXのような製品をつくっているのか不思議に思う人もいるでしょう。ネイティブ・プロセッサは偉大です。私たちもPro Toolsのネイティブ・プラグインがこのパワーを利用できると思うとワクワクしますが、計算能力だけがすべてではありません。ユーザーがオーディオ・エンジンに求めるものは3つあると私たちは考えています。それはパワー、低レイテンシー、決定性です。これらの3つが私たちの工学設計空間です。
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一番上にあるのが計算能力です。ネイティブ・プロセッサはこの点では優れていますが、トレードオフがあります。ほとんどの場合はOKですが、常にそうとは限らないトレードオフです。「ハードウェアが追いつきませんでした。バッファサイズを増やしてみてください」というダイアログを見たことがある人はこの問題をご存知でしょう。これらのプロセッサと一般のオペレーティング・システムの組み合わせによるパワーは偉大ですが、必ずしも低レインテンシーや決定性に優れたシステムになるとは限りません。
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HDXについて議論したとき、私たちは純粋なネイティブ・システムに対して独自の利点がある新しい計算資源を提供したいと考えました。Pro Toolsにはこのようなプロフェッショナルなオプションが期待されているはずです。内蔵DSPチップは高度に予測可能(決定的)なだけではなく、非常に小さなバッファサイズ(1サンプルなど)にも適しています。このオプションが私たちの設計空間のどこに位置するかを見ていただければ、HDXが純粋なネイティブ・ベースのシステムの弱点をカバーするのに完璧だということがお分かりいただけると思います。
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以上のことから、この三角形全体を効率的にカバーするプラグインのプラットフォームが必要であると私たちは確信しました。設計目標:プラグインのプラットフォームは固有のプロセッサ(必要なリソースをユーザーに与える)をターゲットにする能力を提供すること。

次に64ビットと一般的なポータビリティーについてお話しましょう。64ビットの他にも、モバイル、マルチタッチ、分散システムなどの技術があります。プラグインのプラットフォームに長寿を求めるなら、これらについても考える必要があるでしょう。しかし結局のところこれらは2つの設計目標にまとめられます。ポータビリティーとモジュール性です。

ポータビリティーとは、私たちの書くコードが新しいハードウェアやシステムに簡単に移行できることを意味します。従来のプラグイン・フォーマットRTAS とTDMはPro Toolsに直接関連付けられていて、まったくポータブルではありません。設計目標:プラグインは、さまざまなアプリケーションやハードウェア・プラットフォームに対応できること。

モジュール性とは、新しい製品やワークフローを生み出すために利用できるようプラグインのさまざまな部品を独立させることを意味します。歴史的には、ひとつのプラグインは一枚岩の塊です。これでは新しいプラットフォームに対する設計の拡張性が制限されます。これはフレキシビリティーの問題です。設計目標:技術革新を可能にする適度なモジュール性を持つこと。

主な目標を確認してみましょう。

  • プラグインのプラットフォームは固有のプロセッサ(必要なリソースをユーザーに与える)をターゲットにする能力を提供すること。
  • プラグインは、さまざまなアプリケーションやハードウェア・プラットフォームに対応できること。
  • 技術革新を可能にする適度なモジュール性を持つこと。

RTASとTDMを検討したところ、これらのフォーマットを改造するだけでは以上の3つの目標はおろか、1つも達成できないことが分かりました。そこで私たちはRTAS、TDM、Audiosuiteの最良の部分を使ってこれらの目標に取り組むことにし、AAXを生み出したのです。

Pro Tools 11はスピードとパフォーマンスを主眼に構築されました。そしてこのリリースにおいて、私たちはプラグインのプラットフォームを大きく進歩させ、プラグインのこの新しいフレキシビリティーを生かせるようにオーディオ・エンジンを再設計したのです。64ビットのマルチスレッドとマルチ・プロセッサ対応の利点を最大に生かしたことがプラグインのパフォーマンスの向上につながっています。またプラグインのプロセッシング部品が再利用できるため、最大効率での動作が可能になっています。さらに私たちはAAX Hybridと呼ばれる新しいタイプのプラグインをつくりました。このプラグインは、これまでは不可能だった方法でプラグインがオーディオ・エンジンをタップすることを可能にし、プラグインの開発者はさまざまなエンジン・リソースの最大の利点を組み合わせることができるようになりました。

開発には何年もかかりましたが、Pro Tools 11とAAXによって世界でも最高のパフォーマンス、最高の決定性、最もレイテンシーの低いDAWとプラグインのプラットフォームが構築できたと私たちは自負しています。

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