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2014年12月24日 (水)

【Avid Blogs】Pro Multiband Dynamicsが私のオーディオ・ポスト・プロダクションに必須のプラグインである理由

このブログポストは、アカデミー賞受賞歴を持つリレコーディング・ミキサーでありサウンド・デザイナーのミーロン・ネッティンガ氏によるゲスト記事です。ネッティンガ氏が担当した映画には、『ブラックホーク・ダウン』、『キル・ビル』(Vol.1および2)、『ザ・ファイター』、『世界にひとつのプレイブック』、『アメリカン・ハッスル』などがあります。ここ最近公開となった作品には、『Alexander’s Terrible, Horrible, No Good Very Bad Day』、ドリームワークス・アニメーション製作の『ペンギンズfromマダガスカル』があります。

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私は、長年にわたってPro ToolsとAvidコンソールを使用したバーチャル・ミキシング環境で作業を行っています。以前、オーディオ・ポストの作業におけるPro CompressorPro Limiterプラグインの使用方法についての記事をAvid Blogsに寄稿しました。私はリリース以来Avid Proシリーズ製品を使用しており、そのパフォーマンスに非常に感銘を受けています。そのため、Proシリーズ・プラグインが発表されたとき、これはチェックすべきだと確信しました。使ってみたあと、Pro Multiband DynamicsPro Subharmonicは私のスタンダード・セットアップになくてはならないプラグインになりました。Pro Seriesのプラグインならではのプロセッシングにおける透明性は、これまで使用した同じ種類のプラグインの中でも最高のクオリティです。まずPro Multiband Dynamicsを取り上げ、次の記事ではPro Subharmonicに注目したいと思います。

 

Pro Multiband Dynamics

私は、Multiband Dynamicsをさまざまなエリアの標準セットアップに加えています。個々のDXチャンネルで特定の周波数帯に絞って操作をする必要があることがあります。そんなときは、低域はそのままで、中域だけ圧縮/抑制して、素材の全体域にコンプレッションをかけたときの「ポンピング」効果を低減させます。

ディエッシング

最もシンプルな用途のひとつがディエッシングです。ディエッシングとは、スピーチに含まれる歯擦音の問題の除去を指します。歯擦音を含む部分のみに影響するよう両サイドの帯域幅を簡単に調整でき、コンプレッションの範囲を設定し、他のバンドでの処理のバイパス機能を調整できます。スムーズでトランスペアレントな動作は、ダイアログに最適です。このリアルタイム・スペクトル・アナライザーを使用することで、一般的なスイープ処理に比べてよりすばやく問題箇所に集中できます。

 

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特に気に入っているのがSLOPE機能です。これは、2つのコンプレッション・パラメーターを同時に調整できる機能です。スタートの最小値0%では、ソフトニーで1:1.5の比の設定です。値が上がるにつれて、ハードニーで1:20の比へと移行していきます。非常に自然でスムーズだと思います。

ピークの処理

私はこれを各バンドでのピークを抑制する汎用マルチバンド・コンプレッサーとしても使用しています。通常約3dBの範囲で使用し、スロープを約20%、ローバンドのアタックを45msにして、さらに上の各バンドでだんだんとアタックが速くなるようにします。リリースはほとんどの場合約80msです。スレッショルドにも大抵、私が使用する総合コンプレッサー(Pro Compressor)同じアプローチを取って、スレッショルドをピークの少しだけ下になるようにしてトラックの瞬時ピークのダイナミクスを3から6dBに圧縮します。通常、アルゴリズムは[SMART]のままにしておきます。このProシリーズ設定は不要な色付けやポンピングを加えません。これを起点に、必要に応じて調整を加えていきます。

最大7.1のマルチフォーマット

もうひとつの優れた機能に、Multiband Dynamicsの最大7.1のマルチフォーマット・バスでの使用があります。他と異なり、「全チャンネルに同一の処理を追加」するのではありません。マルチチャンネル機能は、ステレオ・ペア、全チャンネル、またはLFE以外の全チャンネルをリンクするオプションを提供します。これは、マスター・ステムだけでなく、処理から切り離しておきたい重要なLFEを持つ個々のプリダブにも本当に便利です。

他のトラックから個々のバンドのキーイングを行う

各バンドのキーイング機能も非常に優れた機能です。特に音声が混み合っているシーン(MXやFXが最高潮のなか複数の会話がなされているシーンなど)では、FXまたはMXのローミッドおよび/またはハイミッド・バンドをダイアログ・トラックから少しだけ下げてキーイングします。MXまたはFXの全帯域にコンプレッションを欠けることなく、ダイアログを押し出すことができます。

最近のプロジェクトでのFXの例を紹介します(画像参照)。ここでは、数々の爆発音(赤のトラック)に金属片による音(青のトラック)が加わっています。爆発音の初期アタックに含まれる金属音を下げたかったので、爆発音のプリダブから[KEY]Auxセンドを設定し、金属音のプリダブのキー入力のマルチバンドを[KEY]バスに設定しました。各バンドをキー・モードにして、それぞれ調整します。「すべて(LFEなし)」へのリンクを設定し、金属音の特殊なパンニングを保ちながら、プリダブのLFEに影響しないようにします(この場合は何もなし)。Pro Multiband Dynamicsでのキーイングの設定は極めて簡単かつ効果的です
 

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マルチチャンネル・プリダブやステムに使用するとピークを抑制でき、特定のバンドだけを操作し自然でトランスペアレントなサウンドが得られます。FXでは、私はコンプレッション・アルゴリズム[PEAK]を使用することが多いです。FX特有のトランジェントをうまく抑制することができますが、不確かな場合は、デフォルトの[SMART]モードを使用します。このモードは、対象に関係なく優れた効果を発揮します。ステムのピークをスムーズにするのに最適で、さらにリアルタイム・スペクトル・アナライザーが優れた効果をもたらします

付属のMultiband Splitterプラグインを実際の作業に使用するには至っていませんが、近いうちにその必要が出てくることでしょう。

 

無料デモ版をダウンロード

Pro Multiband Dynamicsは、4つの周波数帯にサウンドを分割し、レベルがスレッショルドを上回るまたは下回る際のプロセスを選択することで、正確なオーディオのコンプレッション/エクスパンドを可能にするパワフルな64-bit AAXプラグインです。今すぐ14日間の無償トライアル版をダウンロードしましょう。

Pro Multiband Dynamics
YouTube: Pro Multiband Dynamics

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オリジナルブログ著者:

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ミーロン・ネッティンガ

アカデミー賞受賞歴のあるリレコーディング・ミキサーおよびサウンド・エンジニアで、サウンドFXデザインおよびサウンド監督の経験を持つ。担当作品には『ブラックホーク・ダウン』、『キル・ビル』(Vol.1および2)、『アメリカン・ハッスル』など、また最近の作品には『Alexander’s Terrible, Horrible, No Good Very Bad Day』、ドリームワークス・アニメーション製作の『ペンギンズfromマダガスカル』などがある。

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